東京ヤクルトが新入団選手発表、選手の横顔と戦力アップ分析

東京ヤクルトドラフトニュース2015年ドラフトニュース

ヤクルトがドラフト会議で指名された6人の入団発表を行った。選手の横顔やプロでの活躍の姿、チームの戦力アップなどについて意見を書きます。

東京ヤクルト2015年入団選手一覧

順位 選手名 位置 出身 身長体重 投打 契約金 年俸 背番号
1 原樹理 東洋大 180cm79kg 右右 10000 1500 16
2 廣岡大志 智弁学園 183cm80kg 右右 5000 600 36
3 高橋奎二 龍谷大平安 178cm71kg 左左 5000 60 47
4 日隈ジュリアス 高知中央 184cm77kg 左左 3200 500 48
5 山崎晃大朗 日本大 173cm68kg 左左 3800 800 31
6 渡邉大樹 専大松戸 182cm84kg 右右 2500 500 49

 

 新人選手の横顔

ドラフト1位・原樹理選手 期待度1年目:☆☆☆☆ 3年目:☆☆☆

東洋大姫路時代に147キロを記録していた投手だが、大体140キロ前後の球速で大学でもそれほど球速は伸びていない。しかし、高校時代から定評の低めのコントロールと伸びる球に沈む球のコンビネーション、そして大学では特にシュートで右打者のインコースを責める自分のピッチングを確立した。

大学4年秋にチームを一部に昇格させるなど結果も残すことができ、気持ちも強い投手でプロ向きだと思う。いきなり15勝をするようなタイプではないが、何年も10勝前後を記録できる投手になってくるとみられ、館山投手や石川投手などから投球術を教わってさらに安定感を増すかもしれない。

ドラフト的に2位で獲れれば最高な投手という印象はあるが、十分戦力として活躍してくれそうだ。4年秋に奮闘したことで疲労が来年も8勝~10勝は挙げられると思う。広島カープの野村祐輔投手のような感じになるか。

ドラフト2位・廣岡大志選手 期待度1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆☆

打撃の印象として思い切りもよく、智弁学園の先輩で昨年のドラフト1位・岡本和真選手よりも体のキレがありスカッと爽快な活躍を見せてくれる選手。打席での下半身の安定感はものすごく根が生えたようであり、外角の球も強く引っ張ることができる。インコースを責められる事になり苦しむところだと思うが、そこをうまくさばけるようになればかなりの選手になると思う。

守備でも外野としてもサードとしてもショートとしてもプレーしている。動き自体は問題ないが、肩や前後の動き、横の動き、足の速さを見てがっちりと固定してレギュラーを取ってほしい。サードは川端選手がいるのでショートができれば最高の選手となりそうだ。

ドラフト3位・高橋奎二投手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆

フォームは足を長い間挙げてタイミングを外すような感じだが、オーソドックスな左腕投手。がっしりした下半身で下半身主導のピッチングができる。また腰も柔らかく、足を大きく使っても上半身がぶれずに力を伝えることができる。ただ腰の故障の不安は出てくると思う。

課題としては下半身の力は伝えられるが、腕の振りが前に来ない感じがする。腕も大きく振っているのだが上体がやや後ろに残った感じで、バッターの手元まで腕が伸びてくる感じはない。球のキレがあり高校生では140キロ前後の球で空振りが奪えていたが、プロではそこが改善できれば、同じように140キロの球でも空振りを奪える投手になりそう。良い成長ができることを期待したい。

ドラフト4位・日隈ジュリアス投手 期待度 1年目:☆ 3年目:☆☆

長身左腕という事での指名、上体はがっしりしているがとにかく下半身が細い。長身だが球速は130キロ中盤でやや横から投げられるストレートは右バッターの外角に外れることが多く、しっかり投げ切れていない。器用な投手で変化球をうまく使う事ができるのでまずは体づくりから、今の状況では☆をたくさんつける事はできないが、体ができてくれば大きく変わっていく選手かもしれない。

ドラフト5位・山崎晃太朗投手 期待度 1年目:☆ 3年目:☆☆

足がありバットにボールを当てて三塁側に転がし内野安打を狙う打撃。足に関しては比屋根選手などと争えるくらいだと思うが、打撃に関してはまだ力が足りない。下半身もまだ細く、プロの打球をしっかりとはじき返すように、まずはプロの体に作り替えていく時間が必要だろう。同じようなタイプの選手はプロ野球でもアマチュア野球でも比較的多い。その中で特徴を出す事が必要になってくる。

ドラフト6位・渡邉大樹選手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆☆

凄い選手になるかもしれない。182cmの体だが50m5.9秒で走る身体能力がある。また打席ではインコースに微動だにせず、体重が後ろに残り壁ではじき返すような強い打撃ができる。手首で三塁線を破ることもできるし腕も使って左中間深くに持っていくこともできる。外角の球の対応ができてくればアベレージも残せそうだ。

ショートとしても非常にセンスを感じさせ、球界を代表するような選手になりそうな予感がする。

 

チーム全体の戦力アップ 1年目:☆☆☆ 3年目:☆☆☆☆

ドラフト会議では狙っていた高山俊選手が獲得できなかった。しかし原樹理投手は1年目からローテーションで5番手くらいの活躍は十分できそうだ。また高校生野手の二人については、山田選手や川端選手クラスに活躍できる選手になると思う。問題は内野手のポジションが少ない事で、広岡選手は外野でプレーする事になるかもしれない。それでもチームを支えていく選手になっていきそうだ。

反対に高校生左腕の二人はタイプの違った左腕で、左腕を育てたいという方針で指名されたと思う。まったく違った特徴がある投手で、どのように育っていくのか非常に興味がある。

チーム的には内野手がしっかりしている中で内野手の層がさらに厚くなりそうな、若干アンバランスな補強かもしれない。高山俊選手が獲れていたら12球団トップの指名だったかもしれない。しかし取れなかった事で課題の投手が獲得でき、バランス的には良くなったかもしれない。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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