東京ヤクルトが、今年のナンバーワンスラッガーとして注目される創価大の立石正広内野手を、今秋のドラフト会議の1位指名候補に挙げていることが明らかになった。大学球界No.1スラッガーの呼び声高く、今春のリーグ戦では5本塁打を量産。チームの将来を担う“球団の顔”になり得る逸材として最上級の評価を受けており、近年のドラフト戦略を転換してでも獲得を目指す可能性が浮上した。
小川GMも絶賛「対応力とパワーが凄い」球団の顔へ
立石正広選手について球団幹部が、「山田、村上のように中軸を打てる野手が必要なのは誰が見ても明らか。立石選手はもちろん魅力的な存在」と話し、チームの現状と立石選手への期待を語った。球団は近年、投手力強化を優先し、2008年以降のドラフト1位では野手は3人(山田哲人選手:2010年、川上竜平選手:2011年、村上宗隆選手:2017年)しか指名していない。しかし、その投手中心の指名がチームの強化につながっていないという指摘もあるほか、さらに山田哲人内野手は最近は打撃の成績を落としており、現在故障で離脱をしている村上宗隆選手も、今オフにメジャーに挑戦する意向があることから、野手の獲得と育成は喫緊の課題となっている。
その中で、180cm86kgの恵まれた体格から広角に長打を放つ右の長距離砲・立石選手に白羽の矢が立つのは自然な事だった。東京ヤクルトの小川淳司GMは今春のリーグ開幕戦を視察した際に、「対応力とパワーが凄い」と絶賛、ポスト村上や山田として三塁や二塁を守る右の大砲の獲得は、チームの運命を決めるものになる可能性もある。
先日行われた全日本大学野球選手権では、チームは初戦で敗退し、立石選手自身も内野安打1本と悔しい結果に終わったが、昨夏には大学3年生ながら侍ジャパン大学日本代表の4番も務めており、この春には5本塁打を放ち、その昨年よりも更に進化を遂げている。評価が揺らぐことはない。
逸材のポテンシャル、虎も9人態勢で熱視線
立石選手については、大学選手権初戦に阪神が球団スカウト10人中9人という異例の態勢で視察をするなど、この右のスラッガーには各球団が注目している。打力はもちろんのこと、主に三塁を守りながら、プロ入りを見据えて二塁や遊撃にも挑戦する万能性も魅力だ。
打撃や身体能力は阪神の佐藤輝選手、そして守備も含めた右打者としては横浜DeNAの牧秀悟内野手のように、1年目から中心打者としてチームを引っ張り、変えていく力を持っている。
立石選手もプロ入りに強い思いを見せており、選手権で敗れた際には、「ドラフトもどんどん近づいている。このままでは、プロに行っても、本当に勝負できる立場ではない。秋に圧倒した成績を残して、日本一を目指す」と雪辱を誓っている。
その前に、日米大学野球がある。今週末からは侍ジャパン大学代表の選考合宿が始まり、昨年も4番として活躍を見せた立石選手が選ばれる事は、故障でもない限り確実と見られる。まずは今合宿で多くのスカウトが注目するほか、日本の北海道や新潟などで行なわれる日米大学野球では、アメリカのメジャー予備軍の投手を相手にどのような結果を見せるかが注目される。
そして、ここで持っているものを見せることができれば、秋のドラフト会議では超目玉として迎えられることになる。現時点で阪神、広島、埼玉西武、そして東京ヤクルトが1位指名が有力と見られ、さらには岡本選手のメジャー移籍の可能性があり、ポスト岡本の獲得を目指す巨人、打撃力アップを目指す中日、その年のナンバーワンの選手を1位指名する北海道日本ハム、昨年は宗山選手を獲得し今年もチームの主軸候補を獲得したい東北楽天、他にポスト宮崎獲得を目指す横浜DeNA、生え抜きの大砲を獲得したい福岡ソフトバンクなど、1位指名の可能性があり球団は非常に多く、少なくとも5球団、多ければ8,9球団が1位指名をする可能性がある。
縁を得た球団は、チームの主砲を手にすることができる。今年はそういうドラフト会議となりそうだ。
立石正広選手 プロフィール
- 氏名:立石 正広(たていし まさひろ)
- 生年月日:2003年11月1日
- 出身地:山口県
- 経歴:高川学園中学校(高川学園リトルシニア) – 高川学園高校 – 創価大学(4年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:180cm・86kg
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:大学球界No.1の呼び声高い右の長距離砲。今秋ドラフト1位候補。東京新大学リーグで通算14本塁打(2025年春季リーグ終了時点)。昨夏には3年生で大学日本代表の4番を務める。ヤクルトがドラフト1位候補として高く評価。高川学園高校3年夏に甲子園出場。高校通算10本塁打。母親の郁代さん(旧姓・苗村)はバレーボール選手としてバルセロナ五輪に出場。


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