阪神の2010ドラフト戦線と2011年ドラフトの展望

阪神ドラフトニュース

巨人を追い続けシーズン最後に逆転をしながらも、中日の追い上げにやぶれ2位に終わった阪神タイガース、2010年のチーム状況とドラフト戦線を振り返り、2011年の展望をして見たいと思います。

2010年シーズン

2009年は真弓監督の初年度だが4位とBクラスに終わったシーズンだった。投手では安藤や久保田など期待した選手が成績を残せない中、能見が13勝、岩田が7勝を挙げ、トレードで獲得した久保も9勝を挙げるなど新たなローテーションが活躍し始めた。攻撃では規定打席で3割を超える打者がおらず、鳥谷の.288が最高、中軸の新井、金本、ブラゼルの3人でホームランが52本と打撃が非常に寒い状況であった。2009年ドラフトでは、二神、藤原を上位で指名し、野手は甲斐、藤川の2枚の外野手を獲得した。これだけでは攻撃面に不安であったが、城島を獲得して中軸を厚くすると外国人でもマートンを獲得するなど、補強を進めていた。

攻撃では新戦力が力を見せる。マートンは常に高い打率を残し200本以上の安打を放ったほか、城島も3割を越え28本塁打と主軸として活躍をみせた。またブラゼルが大活躍し47本塁打を放った。鳥谷、平野のリードオフマンも3割を越えるなど打線の形は破壊力あり足も使えて近年まれに見る打線であった。金本が肩のケガで連続試合出場が途切れたものの、ルーキー藤川や2008年ドラフト4位の上本が活躍を見せるなど、若手の成長の姿も見る事ができた。しかし投手はケガが大きく影響してしまう。エース候補とみていた安藤と能見がケガで離脱し、岩田も登板できず上園も先発で結果を残せずリリーフに戻すなど先発の層が薄い状況が続いた。久保が14勝を挙げる活躍をみせたが、続く先発投手はスタンリッジくらいしかおらず、打線が猛打を放った8月も12勝13敗と負け越すなど立て直すことができなかった。終盤に高校生ルーキーの秋山拓巳が先発で4勝を挙げ、2005年高校生ドラフト1位の鶴が先発で2勝を挙げるなど明るい材料もあった。中継ぎ抑えは久保田が復調したものの若干の不安を抱える状況であった。

投手は2010年はケガで苦戦したものの、久保を中心に能見、岩田、秋山のほか、白仁田や蕭など二神など数はそろっている。野手は城島という軸ができたが新井は広島時代より波のある選手で、マートン、ブラゼルの外国人はシーズンが始まってみないと分からないところもある。リードオフマンは藤川、上本がいるため将来的にも問題が無さそうなので、次世代の主軸候補の野手が必要と思われた。投打の軸はそろっているので将来性を意識した余裕のあるドラフト戦略を取ることができる。

2010年ドラフト戦線

このような中でドラフトは早大・大石達也、斎藤佑樹、佛教大・大野雄大、中大・沢村拓一、八戸大・塩見貴洋などレベルの高い投手のほか、東海大・伊志嶺翔大、広島経済大・柳田悠岐など野手もリストアップ、また北照の又野知弥や東海大相模の一二三慎太を野手としても評価するなど、エース候補、主軸候補の選手を獲得する方針であった。久保田、藤川のリリーフ陣に少し不安を除かせた事もあったか7月には大石達也を指名する事を決めていたようであった。外れ1位では八戸大・塩見貴洋や東京ガス・榎田大樹をリストアップ、2位では糸満の宮国椋丞をリストアップしていたと見られる。その他、若手捕手候補として福岡工大城東・中谷将大、若手投手として大分工業・田中太一投手、南陽工・岩本輝投手をリストアップしてドラフトに臨んだ。

2010年ドラフト会議

ドラフト1位指名は大石達也だったが6球団の競合の末、西武が獲得した。外れ1位では八戸大・塩見貴洋も候補としてあったが、左腕の東京ガス・榎田大樹を指名する。2位では糸満の宮国椋丞を巨人に指名され、逆に巨人も狙っていた一二三慎太を2位で指名する。3位では捕手の指名を狙っていた千葉ロッテとの兼ね合いもあり3位で中谷将大を早めに指名した。4位でも岩本輝を獲得でき、将来を任せられるバッテリーを獲得できた。

チームの変化と2011年の見通し

岩田がケガが多く、2009年ドラフト2位の藤原は中継ぎで力を見せていることから、榎田は先発左腕としてローテーションを狙える投手だと思う。ただし能見を越えるエース格というよりは安定感がある2番手の左腕投手というタイプだろうか。140km前後のストレートと変化球を右打者の外角に出し入れし打たせて取っていくタイプの左腕だ。

一二三慎太は投手として育てるとの事だが、サイドスローよりはオーバースローに戻して高校1年2年時の投球を取り戻して欲しい。力はドラフト1位クラスのものを持っており、3ヶ月程度でサイドスローで甲子園準優勝するなど調整力も高い。もしかすると秋山投手同様1年目での活躍が見られるかもしれない。力があるので早く使いたくなるかもしれないが、何があっても乱れる事のないフォームで固めてから使って欲しい。岩本輝も安定感が高くどちらかというと即戦力タイプのような気がする。

2011年のドラフト戦略

投手の数はそろっている。野手は城島・新井の軸がありリードオフマンも素晴らしい選手がそろっている。ただし両外国人に頼るのはヤクルトのような思わぬつまずきを見せてしまう可能性もある。2年続けば本物だろう。

このような中、ドラフト戦線はまだ余裕を持ってできそうだ。若手の中で投手は秋山、一二三などエース候補がいるが、野手の4番候補ははっきりと期待できる選手がいない。また遊撃手も高濱が伸び悩んでおり、ポスト鳥谷を獲得しておきたい。したがってドラフト戦線としては2010年と同じくエースとなれる即戦力投手候補と、将来の4番、遊撃手という事になりそうだ。東海大・菅野智之、東洋大・藤岡貴裕や広陵・丸子達也、東海大候補・高橋周平、中大・井上晴哉などが候補として挙がってきそうだ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
ドラフト会議ホームページ2024 Draft home page

コメント