ドラフト1位指名を受けて阪神に入団した創価大の立石正広内野手(22)が、東京都八王子市の同大グラウンドで練習を公開した。気温1度という寒さの中、早朝6時から始動した黄金ルーキーは、移動時間も含めて1日約11時間を野球に費やす超ハードスケジュールを告白。年明けの入寮に向けて、4年間過ごした母校グラウンドでの練習は、実質これが最後となり、プロへの世界へと飛び立つ。
朝6時から夕方まで…衝撃の「野球漬け」生活
立石正広選手の日常はドラフト1位指名されたあとも変わらない。この日も午前6時にまだ薄暗いグラウンドで白い息を吐きながらランニングを開始。アメリカンノックで自身を追い込み、全体練習を終えると、すぐさま都内のトレーニング施設へ移動する。
「睡眠不足といえば睡眠不足。電車で寝ています」と笑うが、その移動時間さえも動画チェックなどのイメージトレーニングに充てる徹底ぶり。その後、夕方までトレーニングや打撃練習に励み、帰寮は21時の門限ギリギリ。1日の活動時間は約11時間にも及ぶ。「ケガのないような体づくりを目指して」と、ストイックに己を磨き上げ、大学ナンバーワンスラッガーとして成長を遂げ、ドラフト1位でプロ野球選手になった。
巨人・門脇の「メリハリ」と、阪神・森下の「焦るな」
このハードワークを支えるのは、創価大の先輩たちの教えだ。時間の使い方は、3学年先輩の巨人・門脇誠選手を参考にしている。「メリハリがあり、プロになると決めて時間を使っていた」という姿を追い、オンオフの切り替えを意識して密度を高めている。
また、自主トレ先で一緒になる阪神の先輩・森下翔太選手からは、「気楽な感じで行きなよ」とアドバイスを受けた。森下選手自身、ルーキーイヤーの自主トレで張り切りすぎて故障した経験があるためだ。「変な焦りは必要ないよ、という意味ですね」と立石選手もその思いを受け取り、1月の新人合同自主トレに向けて、はやる気持ちを抑えつつ着実にコンディションを整えている。
狙うは「開幕戦出場」と「2桁本塁打」
1月の入寮に向けて様々なスケジュールをこなしながら、練習も続けてきた。そして4年間を過ごしたこのグラウンドでの練習はこれが実質ラストとなる。「今が一番楽しい。あらためて大学の4年間って楽しいなと思いますね。高口コーチに毎日ノック打ってもらって、きつかったけど、いい思い出ですね」と4年間の思いを振り返った。
見据えるゴールは高い。「開幕戦に出たいのは一番。そこで勢いに乗って、1年間出続けるのが理想」。本職の二塁手に愛着を持ちつつも、「それ以外もできたら出られる可能性は上がる」と三塁や外野の守備練習にも余念がない。
「2ケタ本塁打を目指して頑張りたい」。走攻守そろった大型スラッガーが、心技体を極限まで高め、甲子園での暴れ回る日を待つ。
立石正広 プロフィール
- 氏名: 立石 正広(たていし・まさひろ)
- 所属: 創価大学(22歳)
- 出身: 山口県防府市(高川学園高校卒)
- ポジション: 内野手(二塁・三塁)、外野手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、86kg
- 主な特徴や実績: 世代No.1の長打力を持つスラッガー。創価大ではリーグ通算15本塁打。練習の虫であり、先輩の教えを吸収する素直さも武器。2025年ドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受ける。










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