北海道日本ハム・大谷翔平選手、打っては勝利打点記録、投げては157km/hも4回降板でライトの守備へ

大谷翔平

 北海道日本ハムの大谷翔平選手が1試合での二刀流に臨んだ。

 5番投手で出場した大谷選手は、初回に157km/hを記録するなど常時150km/hを越すストレートで1安打も無失点に抑える。2回表は先頭打者として打席に立つと、ファーストベースを強襲する今季12本目の2ベースヒットでチャンスを作る。サードまで進みスクイズ失敗などで足を使わされたが得点を挙げることができず、ランナーからそのままマウンドへと向かった。

 そして2回裏、先頭の松山選手にホームランを浴び、その後四球でランナーを許す。このピンチは抑えたものの3回には3四死球などでノーヒットで2点を献上してしまう。

 しかし3回表の打席で四球を選び同点に追いつくチャンスを作ると、5回にはノーアウト満塁から内野ゴロで勝ち越しの打点を挙げ、これが勝利打点となる。5-3となった5回裏にマウンドに登り抑えれば勝利投手となる所だが、栗山監督が交代を指示し、打者大谷を残すためにライトを守らせた。

 いろいろ盛りだくさんの内容だった。まず投手としてはストレートはやっぱり早い。日本人投手ではNO1と言ってよいだろう。ただし長打など外野の深くまで飛ばされるなど、まだコースが甘く高いボールも目立つ。またこうこう競った試合で四死球を連発する点は高校時代から変わっていない点となるだろう。

 打者大谷としては3打数1安打1打点と十分の働きを見せた。ライトに下がった後の第4打席は三振に終わった。キレイな打球という感じではなかったが、2ベースを放ち、四球でチャンスを広げ、満塁で打点も挙げた。十分合格点だろう。

 結果から見れば打者大谷が投手大谷に勝った形だろう。大谷選手はキャンプ中から「基本的に流していけば、結果が出る」と話して逆方向に打つ練習を続けていたという。それによってレフト方向への2ベースヒットを量産している。打者としても30本くらいホームランを打つのであれば、同じ試合で二刀流に挑戦する価値はあるが、この打撃を続けるのであれば無理をして同じ試合で二刀流をする必要はないだろう。

 DH制のあるパリーグでは守備は苦手でも長打力のある選手、北海道日本ハムで言えばアブレイユ選手のような選手がDHで出場する。このような長打力のある選手以上の打撃が無ければ無理をする必要は無い。

 ただし同じ試合ではなく、登板をしない試合での野手としての出場という事での二刀流については、大谷選手の打撃能力は十分チームの武器となる。

 3時間34分を満喫した大谷は、すがすがしい表情でベンチ裏通路に出てきた。

 「野手としては50点。投手としては試合をつくれなかったし30点ですかね」。先発したマウンドは4回3失点で降板となったが、投手のミスをバットで取り返せるのが二刀流だ。

 2回、マウンドから下りて慌ただしく入った先頭で低めのチェンジアップをうまく拾った。一塁線を破る二塁打でチャンスメーク。3点ビハインドの4回1死一塁では四球を選んで小谷野の適時打などを呼びこんで、同点をお膳立てした。

 そして5回無死満塁では左腕・久本から遊ゴロながら決勝点も叩き出した。「詰まったのが幸いしました。本当は粘ってファウルにしなくてはいけないんですけどもね」と反省しながらも、きっちりとプロ初の勝利打点をマークした。

 投手で5番。1963年に梶本隆夫(阪急)が3番・投手で出場して以来50年ぶりに投手が中軸打線に座った。5回からは右翼の守備に就いた。通常、降板した投手は肩、肘にアイシングを施すが、それも後回し。「とにかく集中力を切らさないように。外野の仕事だけを意識した」。守備機会はなかったが、9回に代打を送られるまでグラウンドに立ち続けた。二塁打と四球で2度出塁し、走者として1球ごとにリードを大きく取って相手投手をけん制。「ああいう必死な思い、姿が重要」と栗山監督もその一生懸命さを評価した。

  二刀流への否定的な声が耳に届いても、気にしなかった。「今まで通り、野球をやっているだけなので。基本的には楽しい。つらいとは思わない」。新聞、スポーツニュースを見れば、野球評論家がこぞって片方に専念することを主張していた。それでも、「どっちにしても、評価してもらえるのはありがたい。いろんな意見はありますが、今の段階では今まで通りしっかりと頑張るしかないので」。信念を貫いた。

 投打に新人離れした結果を残す中で、現段階では「野手・大谷」の自信が「投手・大谷」のそれを上回っている。仮に対戦したとして、どちらに軍配が上がるのか。

 「打者が勝つと思いますね、今なら。左中間ツーベース。真っすぐを、打ち返すと思いますね」160キロの剛球を逆方向への打撃でクリーンヒットするイメージが浮かんだという。

 高校通算56本塁打の長距離砲は、プロ入り後、チームの勝利のためにコンパクトなスイングを徹底した。「基本的に(逆方向に)流していけば、結果が出る」。2月のキャンプから、足の位置を10種類変え、ティー打撃をこなした。広角打法に磨きをかけ、高卒ルーキーとして打率3割をキープする結果につなげた。


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