2015年センバツ注目野手は？

　センバツに出場する32校の注目野手を挙げてみる。仙台育英の平沢大河選手が頭一つ抜き出ている感じだが、打撃、守備、素質の高い選手が揃う。

総合力

　プロのスカウトも名前を挙げるのが、仙台育英の平沢大河選手で、打撃ではひきつけてフルスイングをしながらもバットの芯でとらえて、引っ張って強い打球を打つ技術とパワーがある。バットに下に入れてホームランを打つ打者ではなく、ホームランも低い弾道で飛び込むものが多く、中距離ヒッターだが、打撃に関しては頭一つ出ているとみられる。

　また力強い走塁に加えて守備でも打球への反応も良い。捕球や取ってからステップが多かったりするなど課題はありそうだが、ファストやセカンドへのスローイングの感覚の良い選手で、今はエラーをしても、踏ん張ってステップを減らして1塁に送球するなど、より上のプレーを目指してほしい選手でもある。

　また総合力や素質で期待したいのが、大曲工・武田龍成選手、木更津総合・檜村篤史選手、静岡高・安本竜二選手、東海大菅生・勝俣翔貴選手で、武田選手は足、パワーがあり、投手としても安定感を見せる能力の高い選手、同じく勝俣選手も投手としての評価も高いが、鋭い打球と走塁もある選手で本人も打者志望のよう、プロのスカウトも打者として高い評価をしている。

　安本選手は4番遊撃手として強力打線の静岡高校を引っ張り、秋季県大会では２打席連続ホームランに日大三島の小澤怜史投手からもバックスクリーンにホームランを放つなど長打力が魅力。

　檜村選手は1年生で遊撃手を守って甲子園でプレーし、打撃でも4番を任せられ広角にヒットを打ち分けたり、強い打球を打てる。平沢選手に比べると全ての面でもう一つずつ欲しい感じがする。期待したい。

打撃

　打撃で注目されるのは、敦賀気比・篠原涼選手、大阪桐蔭・青柳昴樹、神村学園・山本卓弥選手あたりか。篠原選手は昨年夏の甲子園で１番バッターながら強い打球のホームランを放つなど爆発力を見せた。足も速く破壊力抜群の敦賀気比を引っ張る。

　青柳選手は183cmの大型スラッガーでまだ粗さもあるが、西谷監督が近田拓哉選手や田端良基選手、正随優弥選手のような役割でホームランを期待する選手。山本選手は昨年センバツの初戦でホームランを記録、インコースを開きながら打つ感じもあるが飛距離は十分。

　全体的に昨年の岡本和真選手のようなスラッガータイプは少ないように見える。

守備

　守備や走塁で注目されそうなのが、常総学院・皆神裕平選手、宇草孔基選手、天理・貞光広登選手、舩曳海選手、大阪桐蔭・福田光輝選手、糸満・池間誉人選手だろうか。

　常総の皆神選手は遊撃手として守備範囲の広さがあり、足、肩、打撃でも注目される３拍子揃った選手、宇草選手は183cmの大型のセカンドで50m6.1秒の１番バッターとしてプロも注目する。天理も遊撃手の貞光選手は確実な守備に評判が高く、阪神等が注目している。舩曳選手も182cmの外野手だが足があり打撃にも確実性があるリードオフマン。

　福田選手は昨年夏の甲子園で遊撃手のレギュラーとして優勝を果たしたが、守備力に関しては高校ＮＯ１かもしれない。ただし打撃はまだ力が無いような所も見られる。打撃で自分の役割をしっかりとすることができれば、守備でプロに行けるかもしれない。

　池間選手は173cmと小柄だが抜群の瞬発力と運動神経があり、遊撃手としての打球への反応の速さと、昨年春季大会にホームランを放つなど打撃でも瞬発力を見せる。秋は打撃不振だったがセンバツに評価を上げるかもしれない。

　また捕手では候補は少ないものの、松山東・米田圭佑捕手、健大高崎・柘植世那捕手を挙げる。米田選手は183cmの大型捕手でチームの大黒柱、健大高崎の柘植選手も機動破壊のチームにあって主軸としてどっしりとチームを支える。ただしそのままプロというとやはりもう少し経験や成長が必要と感じる。