甲子園優勝投手の進路と成長

高校野球ドラフトニュース

 昨年のドラフト会議では、興南高校で甲子園春・夏連覇を達成したエース・島袋洋奨投手が福岡ソフトバンクのドラフト5位で指名された。甲子園優勝投手とドラフトについて、まとめてみる。

甲子園優勝投手の進路

センバツ優勝投手夏の甲子園
優勝チームエース進路優勝チームエース進路
2008東浜巨投手(沖縄尚学)亜細亜大→2012福岡ソフトバンク
ドラフト1位
福島由登(大阪桐蔭)青山学院大→Honda3年目
2009今村猛(清峰)2009年広島ドラフト1位堂林翔太(中京大中京)2009年広島ドラフト2位
2010島袋洋奨(興南)中央大→2014福岡ソフトバンク
ドラフト5位
島袋洋奨(興南)
2011近藤正崇(東海大相模)東海大4年吉永健太朗(日大三)早稲田大4年
2012藤浪晋太郎(大阪桐蔭)2012年阪神ドラフト1位藤浪晋太郎(大阪桐蔭)
2013小島和哉(浦和学院)2年生、早稲田大進学予定高橋光成(前橋育英)2014埼玉西武ドラフト1位
2014高橋奎二(龍谷大平安)2年生福島孝輔(大阪桐蔭)同志社大進学予定

 

 2008年春の東浜巨投手は亜細亜大に進み、2012年にドラフト1位で福岡ソフトバンクに入団するも、やや復活の兆しは見えるもののプロでは2年間で5勝しかしていない。

 2009年春の優勝投手、今村猛投手は2010年にはプロ1軍で登板したものの、現在はリリーフとなっており、5年間で8勝17敗も9セーブ、57ホールドを挙げている。そして、2010年春夏連覇の島袋洋奨投手は今年、プロ入りをしている。

 2008年夏の大阪桐蔭・福島由登投手は、高校時はプロ入りにはもう少しという評価で、大学、社会人で実績を積んでおり、昨年ドラフト候補に名前が挙がり今年も候補の一人、2009年夏の堂林投手は野手に転向している。

 2012年春夏連覇の藤浪晋太郎投手はプロ入りして1年目で10勝を挙げるなど、ここ数年の甲子園優勝投手では最も成功している。2013年夏の高橋光成投手もドラフト1位で埼玉西武入りをしている。

 

これからプロ入りしそうな投手は

 今年は2011年の優勝投手で大学に進んだ東海大の近藤投手と、早稲田大の吉永投手がドラフト候補学年となる。近藤投手は緩急で抑える投手だが大学では期待された活躍はまだ見せていない。吉永投手は高校時もドラフト上位の評価で、大学でも1年春にMVPを獲得するなど活躍したが、その後、故障やフォームを崩すなど苦しんでいる。

 そして今年、小島和哉投手が早稲田大に、大阪桐蔭の福島投手が同志社大に進学予定となっている。二人とも実績は十分だが、体が大きくないことや球速も140km/h前後という事もあり、すぐにプロは厳しいという評価だった。大学で体力のアップとピッチングを磨いていく事になる。

 

 甲子園優勝投手でも、即プロの評価を受ける投手もいれば、プロにはまだ実力が足りないと評価される選手もいるが、個人的には即プロにいけると評価された選手は、プロに行くべきだと思う。知名度もあり期待も高く、プロでは大切に育てられる。大学では力がある分、早くから使い込まれてしまい4年間という長さで消耗してしまう。

 

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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