2回戦は不戦勝となった大阪桐蔭は、準々決勝の市和歌山戦でその力を爆発させた。2年生左腕の前田悠伍投手が6回1安打12奪三振無失点、伊藤櫂人選手が1イニング2本塁打など6本塁打の猛打を浴びせた。
前田投手初登板
昨年の明治神宮大会でエースとして優勝を果たした2年生の前田悠伍投手が、センバツ初登板、甲子園デビューをしたが、その内容は圧巻だった。
伸びのある速球は最速143キロ、2回にヒットを許したが被安打はその1本のみ。4回2アウトから6回までは5者連続奪三振を記録するなど、6回86球を投げて1安打12奪三振無失点だった。
昨年秋の時点で、もうすでに高校NO.1左腕と言っても良い感じだったが、この冬はブルペン投球で20m以上離しての投球を続け、「強い球を投げられるようになった」と話す。
来年のドラフト1位指名候補として、甲子園での実績を作り始めた。来年秋までにどこまで実績を積み上げているのか、注目される。
6本塁打
打線も爆発した。5回に2番・谷口勇人投手が、市和歌山の先発の長身右腕・淵本彬仁投手からバックスクリーン左へホームランを放つと、2アウト2、3塁の場面で、主将の7番セカンド・星子天真選手が3ランホームランで4点を奪って突き放す。
さらに6回には伊藤櫂人選手がバックスクリーン左へホームランを放つと、4点を追加した後の2アウト二塁の場面で代打で登場した工藤翔斗選手がライトへ2ランホームラン、そしてなおも2アウト1塁の場面で、伊藤選手がこの回2本目のホームランをレフトスタンドに放り込んだ。
7回にはプロ注目の海老根優大選手もレフトスタンドに2ランホームランを放ち、1試合6本塁打の圧倒的な打撃を見せた。
市和歌山の米田天翼投手が登板したものの、疲労で腕が下がり、球速も120キロ台まで下がっていて、動く球を使おうとしていたがコントロールできなかったこともあったが、圧倒的な打撃で17点を奪い、17−0で大勝した。
伊藤選手は1番サードでプレーするが、卓越した打撃を持っており、この日も対戦データの少なかった相手先発の淵本投手から、1打席目、2打席目で四球を選ぶ中で「ファーストストライクがどういう球筋で入ってくるか」をナインに伝えて攻略を図った。海老根選手や松尾汐恩選手が注目されるが、伊藤選手も十分評価される選手で、大学からかなりの誘いがあると思うが、プロ入りしても面白いと思う選手。
大会も終盤となり、各チームに実力のあるエースがいるも、かなりの投球数となって疲労も重なっている。その状態でこの大阪桐蔭を止めるのは至難の業と言えそうだ。




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