浦和麗明の185cm左腕・吉川悠斗投手が、この日の春季高校野球埼玉大会2回戦・市立浦和戦で先発し、9回4安打15奪三振の快投を見せた。
面白いように空振り奪う
初回、吉川悠斗投手は先頭打者に四球を与えたものの、そこから三者連続三振を奪う。その後も変化球でカウントを奪い、最後の強いストレートで三振を奪う。変化球も、左打者の外角に大きく外れる球で、面白いように空振りを奪った。
7回、1アウトから連打で1、2塁となり、「バントだと思って、甘く緩いボールで入ってしまった」と8番の山崎投手にタイムリーを浴びた。しかし、9回にはこの日最速となる141キロの速球で2つの三振を奪うなど、9回4安打15奪三振1失点の快投を見せた。
吉川投手は昨年の春に浦和学院を5回までノーヒットに抑える投球を見せると、秋の川口市立を9回2安打12奪三振で完封した。184cm70kgの細身の左腕だったが、腕の振りが良く、角度のある球を投げていた。
この日は185cm77kgと体が少し太くなり、とくに下半身の力がついていた。変化球も抜群で、「スライダーがきれいに決まった球が増えてきた。そこはいい傾向かと思います」と話した。
この日は7球団8人のスカウトが視察をしているが、
東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「左投手特有の角度が良い。変化球も腕が振れているから打者は対応が難しい」
阪神・畑山統括スカウト:「変則で角度がある。変化球も器用にいろいろな球種を投げ分けられ、手先の器用さをもっているのは彼の強み。これからトレーニングをして体に力がつけば、球速は上がってしっかりとした球を投げられるのでは」
と評価した。
吉川選手が学校でも進学を目指す特選コースで学んでいるが、進路について「プロは考えていますか?」と聞かれると、「はい」と答えた。
視察した印象として、ポテンシャルが非常に高く将来性はかなり高いと思う。今大会で敗れてしまったが、現状としては浦和学院や花咲徳栄などを相手にどこまで投げられるかを見たい。その上で、東洋大や慶応大などに進学し、大学4年時にはかなり注目される投手になっているようなイメージができる。ただ、ミスミス4年後にドラフト上位になりそうな投手を今年、プロ側が見過ごすのかどうか、これは吉川投手側もプロ側も悩ましいところだと思う。

試合を視察した阪神の畑山統括スカウトは「変則で角度がある。変化球も器用にいろいろな球種を投げ分けられ、手先の器用さをもっているのは彼の強み。これからトレーニングをして体に力がつけば、球速は上がってしっかりとした球を投げられるのでは」と評価。まだ発展途上。夏までの成長を期待した。

女子校から18年に男女共学となった同校に入学し、国公立大志望者が属する特選コースで勉強にも励む左腕を、この日は7球団8人のスカウトが視察。プロ入りも視野に入れ「直球の伸びと変化球の切れを出せるようにしたい」と成長を誓った吉川についてヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスクも「左投手特有の角度が良い。変化球も腕が振れているから打者は対応が難しい」と高く評価した。

185センチの長身から繰り出される直球と切れのある変化球が持ち味。この日は七回に3連打で失った1点が勝敗を分けたが、阪神・畑山統括スカウトは「今は成長過程だけど、力強さが出てきたらおもしろいかな」と印象を語った。

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