春季高校野球大阪大会の決勝が行われ、大阪桐蔭が逆転で履正社に勝利し、公式戦27連勝で優勝を決めた。プロ注目の松尾汐恩捕手の追撃弾と、来年のドラフトの目玉・前田悠伍投手の152球の熱投が勝利をもたらした。
2年生エースが152球完投
前田悠伍投手は180cmの左腕投手で、最速145キロの速球を投げ、インコースに厳しく攻める投球など非常に完成度が高く、1年生だった昨秋の近畿大会や明治神宮大会で活躍をした。今年春のセンバツでもエース格として投げると、13回を投げて防御率0.00の非常に安定した投球を見せた。
この日は、そのセンバツ以来の登板となり、序盤に少し苦しんだ。3回には1アウト1塁から足を絡めた攻撃で2点を奪われる。しかし、ここで捕手で今年のドラフト候補の松尾汐恩捕手の一発で1点を返すと、「ここで気持ちが入れ替えられた」と4回からは得点を与えず、9回8安打10奪三振2失点、152球で完投した。チームも5回に同点に追いつき、8回に勝ち越し点を奪い、3−2で勝利した。
この日は阪神、千葉ロッテなど10球団以上のスカウトが視察したが、前田投手について、
千葉ロッテ・三家スカウト:「2年生だが既に完成度は高い」
東京ヤクルト・阿部スカウト:「これからも成長は見守りたい」
と評価している。
松尾選手も高校通算23本目となるホームランを放っており、こちらもスカウトは十分評価しているとみられる。今年は強打の捕手・松尾選手、来年は前田投手がドラフト会議で指名される可能性は非常に高い。

3回表に2点を先制され、一度は浮足立った左腕を救ったのは、女房役で今秋のドラフト候補にも挙がる主砲の松尾汐恩(3年)だった。その裏、打席に向かう前に「俺のホームラン見とけよ、打ってきたるわ!」と左腕に一発を予告。1死無走者で宣言通り左越えに高校通算23号となる特大ソロを放ち勇気づけると、前田は4回以降、わずか3安打投球で逆転を呼び込み「あのホームランで気持ちを切り替えられた。感謝しています」と最敬礼した。

コンディションの影響などもあり、今春センバツ決勝・近江戦以来となる対外試合登板。10球団以上のスカウトが見守る前で、高い修正能力を示した。


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