夏の高校野球千葉大会では、幕張総合の151キロ右腕・早坂響投手が3試合目の先発をし、169球を投げて4失点完投、9つの三振を奪う投球を見せた。横浜DeNAのスカウトが視察し評価している。
サヨナラのホームを踏む
千葉経大付との対戦で先発した早坂響投手は、14日から中1日での先発で、疲労の影響もあり、7回まで4点を失い一時は3点差をつけられた。しかし最速147キロを記録したストレートに投球の幅を広げた変化球を交え、8回以降は無失点に抑える粘りを見せると、チームは同点に追いつき、タイブレークとなった。
2度めのタイブレークとなった11回、早坂選手は2塁の走者だったが、桜井選手の安打がライト前に落ちると、三塁を回ってホームに滑り込み、サヨナラの帰還となった。「ビハインドでも楽しく、明るい野球ができた。いつか取ってくれるだろうと思って投げた」と話した。
この日は169球を投げきって延長11回を10安打9奪三振4失点、視察をした横浜DeNAの吉見スカウトは「疲れがある中で要所を締めて投げていた。ピンチでギアを上げて。スライダーは、ばらけ過ぎることなく投げていた。今日みたいに試合をつくれる投球ができるようになった。粘り強くなりましたね」と評価した。
早坂投手は昨年に捕手から投手に転向し、注目のトレーナー・北川雄介氏のトレーニングもあり短期間に151キロまで球速を伸ばして注目されるようになった。後は投手としての深さというか、経験によって得られる能力の積み重ねが必要だったが、それもこの夏に3試合全てで登板して手に入れようとしている。
ここまで3試合26回、371球を投げており、体力的には限界に来ているかもしれないが、得ている経験は非常に大きく、この日のように粘りを見せられるようになったことも、急成長と言えるだろう。
次戦は151キロ右腕・平野大地投手のいる専大松戸との対戦となる。「専大松戸さんと戦うことができる。倒してさらに上に行きたいと思います」と話し、勝利を目指す。
コンディションが万全ではない中、最速147キロの直球、スライダーでコーナーを突いて9奪三振。ネット裏で視察したDeNA・吉見祐治スカウトは「今日みたいに試合をつくれる投球ができるようになった。粘り強くなりましたね」と評価する。昨年まで捕手だった男が投手として急成長。伸びしろもまだまだある。プロからの注目もうなぎ上りだ。
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