昨夏の覇者・仙台育英と、埼玉大会ですべての試合で7点以上を奪って勝ち上がった浦和学院の優勝候補同士が対戦した。
仙台育英150キロトリオ
仙台育英はこの日、150キロトリオを惜しみなく出したものの、浦和学院打線が18安打で10点を奪う展開となった。
先発した153キロ右腕・湯田統真投手は、小さく沈んで空振りを奪う事ができるカットボールを軸にストライクゾーンで勝負をして3回まで2安打5奪三振の快投を見せた。しかし、味方打線が9点差をつけた4回表にやや心のスキが生まれたか3連打で失点すると、2つの三振を奪ったものの長打も浴び4失点した。5回も先頭打者を出した所で、高橋煌稀投手にスイッチした。4回0/3を投げて8安打7奪三振4失点だった。
また打撃でも3回裏に尾形樹人選手に続いて2者連続ホームランを放った。甲子園で150キロを記録し、その試合でホームランを放ったのは、松坂大輔選手、辻内崇伸選手、大谷翔平選手、藤浪晋太郎選手、安楽智大選手、吉田輝星選手の6人で、いずれもドラフト1位で指名されてプロ入りしている。
結果的に4失点となったものの、低めの球で150キロも記録するなど、要所で140キロ中盤から後半を記録する球に、とにかく変化球で空振りを奪えるのが素晴らしかった。湯田選手は大学進学が有力だが、その動向が注目される。
また、2番手で登板した高橋煌稀投手も146キロの速球を投げ、リリーフした5回、そして6回は無失点に抑えた。しかし6回裏に5点を奪った次のイニングの7回表で6安打を集中されて5失点した。4回8安打3奪三振5失点という内容だった。
19-9の9回は左腕の150キロ投手・仁田陽翔投手が登板し、1回で2安打を許したものの無失点に抑えた。立ち上がりに課題があるが、この日は外野へのライナーが正面を付き、またサードの好守備で併殺を奪った事で点を与えなかった。
打線
宮城大会では2失点しか許さなかった投手陣が10点を失ったものの、この日は打線が主役となった。
やや投手力に課題のある浦和学院に対し、初回から1番・橋本航河選手と2番・山田脩也選手のコンビによるエンドランが決まり4点を奪った。そして迫力のある打撃をする5番・齋藤敏哉選手から、7番にいる最強打者・尾形選手も3安打3打点の活躍で、浦和学院の6人の投手陣を圧倒した。
山田選手、サードの2年生・湯浅桜翼選手、尾形選手の守備も良かったが、やや送球が乱れるところを一塁の齋藤敏哉選手がうまく捕球して守備を救った。この試合を見ていたと思われる他の高校も、投手だけでなく打撃や守備でも圧倒する内容だったのではないかと思う。
この日は強打の浦和学院が相手ということで打線が主役となった。次はこの日投げなかった安定感タイプの左腕・田中優飛投手も含め、湯田投手、高橋投手、仁田投手などの投手陣が主役となる投球を見せたい。




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