夏の高校野球北北海道大会では、旭川実の152キロ右腕・田中稜真投手が士別翔雲戦に先発し、9回11安打4失点も10奪三振で完投した。この試合には4球団のスカウトが視察した。
絶対的エース
旭川実はこの夏、地区大会の旭川南戦からこの日まで4試合全てにエースの田中稜真投手が登板している。この日の北北海道大会準々決勝の士別翔雲戦でも中1日で先発した田中投手は、気温30度の旭川市でやや苦しい投球となった。
ストレートは低めに決まり、球速も149キロを記録した。しかし相手もそのストレートに合わせて練習をしてきており、外野の前に運ばれるヒットも多かった。9回11安打で4失点、133球を投げた。中盤以降は球速が130キロ台に落ちて失点したものの、9回最後の打者には140キロ台のストレートを投げ、この日10個目の三振を奪った。「厳しい試合でも勝ち切れたのが大きい。ピンチがいつも以上に多かったが、ヒットを打たれてもピンチで締める。疲労の蓄積はあったがギアを上げた」と話した。
またこちらも注目される打撃では、2回に同点に追いつく右中間にタイムリー2ベースヒットを打つと、6回にはレフトスタンドに公式戦3本目となるホームランを放ち、2安打2打点の活躍を見せた。「打撃はたまたまだが、なんか調子がいい」と笑った。
この日は東京ヤクルト、横浜DeNA、北海道日本ハム、中日の4球団が視察し、東京ヤクルトの伊東編成部長は「質という点では良いものを見せてもらいました。良い方です」と評価、高校生右腕投手ではトップクラスの存在となっている。しかし、前日に南北海道大会の北照の高橋幸佑投手のストレートを見て、「直球が強く、自分にはまだ足りないという刺激を受けた」と話し刺激を受けていた。
絶対的エースとして、準決勝、決勝も先発完投が期待される。厳しい環境での投球となっていくが、甲子園出場を果たしたい。




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