愛知県の公立進学校・高蔵寺高校に突如表れた150キロ左腕に、日本のプロ野球だけでなくメジャーリーグからも熱い視線が送られている。芹澤大地投手は今春の侍ジャパンU18代表候補強化合宿でさらに評価を上昇させ、日米スカウト注目の存在となっている。
進学の可能性を考慮に入れながらもMLBカージナルススカウトが訪問
高蔵寺高校の芹澤大地投手のもと、この春からプロ野球スカウトが足を運んでいる。それはプロ複数球団だけではなく、メジャーリーグも複数球団も注目する存在となっている。
5月1日には、セントルイス・カージナルスの大慈彌功スカウトが愛知県春日井市の同校まで足を運び、その練習の姿などを視察した。それでも、昨年までは考えられなかったメジャーリーグのスカウト視察の中での練習にもかかわらず、河原仁監督が「マイペース」と評するように、芹澤投手は惑わされることなく淡々とこなしているという。
評価急上昇、ストレートの質と変化球の課題
芹澤大地投手の評価が上昇したきっかけの一つは、4月に行われた侍ジャパンU18代表候補強化合宿で、全国のトップレベルの選手たちと共に練習する中で、プロが「二重丸をつける」と評価する力強いストレートを見せ、改めてそのポテンシャルの高さを示した。
それでも芹澤投手は「カーブとスライダーだけだと、まだ抑えられないバッターもいる。落ちる球とか他の球種を身につけたい」と語るように、周囲の評価とは一致せず、更に変化球の種類を増やし、投球の幅を広げる必要性を感じたという。力強いストレートに加えて、より多くの変化球を習得できれば、投手としてのレベルはさらに向上する。
高校最後の夏へ調整、進路は熟考、放っておけない魅力
高蔵寺高校は、4月の愛知県大会では2回戦で敗退しており、チームの目標は高校最後の夏に切り替わっている。芹澤投手も夏の大会に向けた調整を続けており、「体力をつけて、しっかり長いイニングを安定して投げられるようにしたい」と話す。
自身の進路についてはまだ表明していない。これまで、プロについての想いは話しているものの将来的な意味合いであり、高卒でのプロ入りを表明していない。進学校ということもあり、また、強豪と常に練習試合ができる環境でもなく、自らの実力を試す機会となる公式戦もトーナメントだと数試合しかない。その中で今の自分の実力を評価するのは難しいし、上のレベルで通用するかの不安を感じるのは当然のことだろう。
それでもNPBやMLBのスカウトは、進学する可能性を承知の上で視察に訪れており、芹澤投手に対するプロ入りを期待する想いが見て取れる。しかし、日本のアマチュア野球の制度では、それを直接、本人に伝えることはできない。いまはただ、芹澤投手がプロでもやれると判断するのを期待するしか無い。
夏の大会前には、愛知県の強豪との対戦を想定し、どこかの強豪との練習試合も組まれると思う。強豪チームもこれだけのサウスポーと対戦する機会は無く、お互いにメリットが大きい。そしてその試合にはプロのスカウトが大挙して訪れることにもなるし、その時の投球が、芹澤投手が進路をどう考えるかのポイントとなるかもしれない。
芹澤大地投手 プロフィール
- 氏名: 芹澤 大地(せりざわ だいち)
- 所属: 高蔵寺高等学校 3年
- 出身: 愛知県
- 投打: 左投左打
- 最速: 150キロ
- 特徴: プロ注目の150キロ左腕。公立進学校の逸材。力強いストレートが最大の武器。U-18日本代表候補合宿で評価が急上昇。NPB、MLB複数球団が注目。

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