高校野球の春季東海大会が24日に開幕し、津田学園(三重)が中京(愛知)を7-4で破り、初戦を突破した。この試合で、最速149キロを誇るエース左腕・桑山晄太朗投手(3年)が7回から登板して好救援を見せ、逆転勝利に貢献した。今春急成長を遂げスカウトからも注目される存在となったが、卒業後は大学へ進学し、さらなるレベルアップを目指す意向を明らかにした。
エース桑山晄太朗投手、雨中の快投で逆転劇呼び込む
強い雨が降りしきる悪コンディションの中、桑山晄太朗投手の真価が発揮された。1-4と3点を追う7回から3番手としてマウンドに上がると、この日最速147キロを計測した力強いストレートと、得意のスライダーを軸に中京打線を封じ込める。3イニングを投げて許したヒットはわずか1本、無失点と完璧なリリーフを見せた。
「エースとして流れを変えることを意識してきたので、そこができて良かったです」と語る桑山投手、その言葉通り、粘りの投球でチームに流れを引き寄せると、打線が奮起。3-4で迎えた9回に一挙5安打4得点を奪い、見事な逆転勝利を飾った。桑山投手は「7、8回とバタついてしまったけど、9回はバランスよく投げることができたと思います」と自身のピッチングを振り返った。
急成長の149キロ左腕、NPBスカウトも注目 その進路は
身長180cm81kgの恵まれた体がある左腕投手で、昨年は130キロ台のストレートスライダーで抑えていく投手で、また秋までは投手と一塁手を兼任し、二刀流として期待されていた。しかし冬から投手に専念すると、体にキレを出すために5キロの減量に取り組みつつ、ウエートトレーニングなどで筋肉量を増加させるという徹底した肉体改造に着手した。その結果、ストレートの自己最速は2年秋時点の142キロから一気に7キロアップし、149キロを計測するまでに成長した。
この春の成長ぶりには、NPBのスカウト陣も熱い視線を送っている。しかし、桑山投手自身は冷静に自身の将来を見据えている。「最終的な目標はプロ入りだけど、一歩ずつ段階を踏んで成長していきたい」と語り、高校卒業後は大学へ進学し、じっくりと実力を高めていく考えを明かした。
高いポテンシャルをもち、無駄の少ないバランスの良いフォームも魅力の投手で、これからどんどん特徴的な良さが出てくる投手だと思う。大型左腕投手としてプロ志望をすれば支配下での可能性もありそうだったが、大学に進むということで4年後はかなり注目される左腕投手となっていそうだ。今年的には残念だが、これからまた見る機会が間違いなくあると思う。
桑山晄太朗投手 プロフィール
- 氏名:桑山 晄太朗(くわやま こうたろう)
- 生年月日:2007年6月29日
- 出身地:愛知県稲沢市
- 経歴:大里西クラブ(小学1年) – 藤華クラブ(中学) – 津田学園高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:180cm・81kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速149キロのストレートとキレのあるスライダーを武器にする本格派左腕。2025年春季東海大会1回戦の中京戦では、1-4の場面からリリーフ登板し3回を1安打無失点に抑える好投でチームの逆転勝利に貢献。2年冬からの肉体改造で球速が大幅にアップし、NPBスカウトからも注目を集める。高校卒業後は大学進学を希望し、段階的な成長を目指す。1年秋からベンチ入りし、2年秋からエースナンバーを背負う。50メートル走6秒7、遠投100メートル。

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