横浜高校に新たなスター候補が登場した。神奈川大会は2回戦で登場した今春のセンバツ覇者・横浜は、初戦に1年生左腕・小林鉄三郎投手が先発に抜擢され、4回を3安打無失点、毎回の7奪三振と素晴らしい投球で初戦を飾った。視察した横浜DeNAのスカウトも将来性を高く評価している。
ハマの鬼平が神宮のマウンドで躍動、4回7K無失点
「追い込んだら三振を取るのにこだわっている。変化球が決まって良かった」。試合後、笑顔で振り返った1年生左腕・小林鉄三郎投手は、その言葉通り、マウンド度胸満点だった。初戦の先発という大役にも臆することなく、初回先頭打者を3球三振に仕留めると、後続も連続三振。完璧な立ち上がりを見せた。184cmの長身から投げ下ろす角度のあるストレートは最速137キロを計測し、チェンジアップとのコンビネーションで4回を投げ3安打無失点、毎回の7奪三振と相手打線を寄せ付けなかった。
中本牧シニアでプレーをしていた昨年、ジャイアンツカップで全国制覇を果たした。長身左腕には数十校の強豪校からの誘いがあったが、「自分が一番成長できる場所」と名門・横浜高校の門を叩いた。「中学に比べ、メンタル的に鍛えられた」と話し、入学わずか3ヶ月半ながら、すでに強心臓で大役を見事に果たした。
DeNAスカウト絶賛「今後がすごく楽しみ」
スーパー1年生の快投に、プロのスカウトも熱い視線を送った。この日視察した地元の横浜DeNAの永池スカウトも、その将来性に大きな期待を寄せた。
横浜DeNA・永池スカウト:「両サイドのコントロールに優れ、キレのあるボールを投げている。今後がすごく楽しみです」
「鉄三郎」という名前、名付け親は、時代小説家・池波正太郎のファンである父・雄之さんで。「鬼平犯科帳」の主人公・長谷川平蔵の幼名にあやかって命名したという。3歳上の兄は「玄三郎」と、こちらは「真田太平記」の登場人物が由来だ。小林投手本人も「自分でもお気に入り。小説もたまに読んでいます」と笑顔で語る。
父・雄之さんも中学まで投手で、「横浜高校に行きたかった」という夢を持っていたが、肩肘の故障で断念。兄・玄三郎さんも、同じく野球選手だったが試合中の死球で大怪我を負い、野球から離れた。「兄の分も頑張りたい気持ちは」という質問を受けると、「あります」と力強く答えた鉄三郎投手。父と兄、二人の夢も背負い、マウンドに上がる。
同じ1年には146キロ右腕の福井那留投手などもいるが、3年の奥村頼人投手、そして2年生でチームの中心投手、そして全国でこの学年のトップを走る織田翔希投手に続く横浜高校エースの座を、この夏の活躍でしっかりと掴み取りたい。
小林鉄三郎投手 プロフィール
- 氏名:小林 鉄三郎(こばやし てつさぶろう)
- 生年月日:2009年6月6日
- 出身地:神奈川県横浜市
- 経歴:若葉台リトルバーズ(4歳~) – 中本牧シニア(若葉台中) – 横浜高校(1年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:184cm・76kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速140キロの1年生左腕。2025年夏の神奈川大会初戦で先発し、4回3安打7奪三振無失点の好投。DeNAの永池スカウトから高い評価を受ける。中本牧シニア時代にジャイアンツカップで全国制覇。名前の由来は池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」。憧れの選手はドジャース・山本由伸。






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