全国高校野球選手権広島大会では、今春の県大会を初制覇した英数学館が強豪の呉を1-0で下し、初戦を突破した。最速147キロを誇るプロ注目右腕・藤本勇太投手(3年)が9回を投げ抜き、6安打9奪三振無失点の圧巻の完封勝利。ネット裏に集結した巨人など8球団のスカウトに、その実力を見せつけた。
最速146キロで完封「自分が抑えて勝ちたいです」
炎天下のマウンドで、エースが雄叫びを上げた。最後の打者を空振り三振に仕留め、9回完封劇を締めくくった藤本勇太投手。「最後まで攻めていけた。ピンチのところはしっかりギアを上げていけたと思います」と、白い歯を見せた。
この日の援護は、2回に相手の暴投で奪ったわずか1点のみ。それでも、「1点あればいい」と、エースは堂々たる投球を続けた。8回、9回と得点圏に走者を背負うピンチを迎えたが、「あそこで気持ちを見せなかったら意味がない」と気迫のこもったピッチングでホームを踏ませなかった。最速は146キロをを記録し、「ブルペンから感触がよかった」というキレ抜群のスライダーを駆使し、実力校の呉を相手に9つの三振を奪った。
巨人・スカウト「非常にクレバーだと思う」と高評価
この日の投球に、ネット裏のプロのスカウトも唸った。この日は広島、巨人など8球団のスカウトが集結。巨人のスカウトが、その投球内容を高く評価した。
巨人・柳舘スカウト:「相手をよく見て投げている印象。非常にクレバーだと思う」
体が大きいわけでもなく、146キロを記録したもののものすごい剛球という感じでもない。しかし、ピンチになると気持ちが入りクレバーさと熱さを併せ持つ所が見られ、プロのスカウトも良い部分を見られた投球になったのではないかと思う。
次戦は広島商「名前で負けないように」
中学時代は無名だったが、高校入学後に投手に転向し、その才能を開花させた藤本投手。次戦の相手は、昨秋の明治神宮大会で準優勝した広島商と対戦する。「一個ずつアウトを取っていけば、相手にも劣らないと思う。名前で負けないように。自分が抑えて勝ちたいです」。自慢の速球で強豪をねじ伏せ、夏の主役へと名乗りを上げる。
藤本勇太投手 プロフィール
- 氏名:藤本 勇太(ふじもと ゆうた)
- 生年月日:2007年8月28日
- 出身地:広島県庄原市
- 経歴:東城ファイターズ(小4) – 東城中学校(軟式野球部) – 英数学館高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm・76kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速147キロを誇るプロ注目右腕。2025年夏の広島大会2回戦で強豪・呉を相手に6安打9奪三振で完封勝利。巨人など8球団のスカウトが視察し、巨人・柳舘スカウトから「非常にクレバー」と評価される。今春の県大会で初優勝。英数学館では1年春からベンチ入り。


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