全国高校野球選手権山梨大会は2回戦が行われ、今春のセンバツに出場した山梨学院が甲府東に11-1で5回コールド勝ちし、初戦を突破した。来秋のドラフトの目玉とされる最速152キロ右腕の二刀流・菰田陽生(こもだ はるき)選手(2年)が「7番・一塁」で出場すると、左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、視察したDeNAなど3球団のスカウトにそのポテンシャルを見せつけた。
体重100キロ!パワーアップした“怪物”が夏の初陣飾る
「やっぱり応援も秋、春と全然違っていた。このグラウンドに少しでも長く立てるようにこの夏、頑張っていきたいです」。昨夏は中学時代の怪我の影響でベンチ外だった菰田陽生選手にとって、これが初めての夏の大会となる。その初戦で、いきなり結果を出した。2点を先制し、なおも2回2死一、二塁のチャンス。甘く入ったスライダーを捉えた打球は、左翼フェンスを直撃するタイムリー二塁打となった。「うまく力が抜けた。初戦で1本出たのは良かった」と、納得の表情を見せた。
春からさらに進化を遂げている。体重は100kgの大台に突入。「夏に向けて鍛えてきた。その成果がこの夏に出れば」と話す。特にベンチプレスは「これまでより10から15キロくらい上がった」とパワーアップし、春の大会後から本格的に取り組んできた筋力トレーニングの成果を語る。
DeNAスカウト高評価「スイングスピードが速くなっている」
194cm100kgの恵まれた体格から、投げては最速152キロ、木製バットでも140メートルを飛ばす長打力で、大谷翔平2世として早くも来年のドラフトの目玉候補として注目され、プロのスカウトも熱い視線を送る。この日ネット裏には3球団のスカウトが視察に訪れ、横浜DeNAのスカウトが高く評価した。
横浜DeNA・永池恭男アマスカウト:「スケールの大きい選手。スイングスピードが速くなっている。より打球が飛ぶでしょうね。今日1本出て良かった。楽しみ」と評価した。
「上武大の周東」兄・朝陽もスタンドから声援
この日、一塁側内野席からは、3学年上で上武大学でプレーする兄・菰田朝陽(あさひ)選手(2年)が応援に駆けつけた。兄も50メートル5秒8の俊足で「上武大の周東」と注目の選手だが、対照的にパワーが魅力の弟について、「改めて迫力があるなって思いますね。もう少年野球の頃からプレースタイルが違いましたね」と、弟の成長に目を細めた。
目標は「大谷翔平選手」。「少しでも近づけられるように」と語る菰田選手。この日は登板機会がなかったが、「いつでも投げられる準備はできている」と状態は万全だ。「絶対に行くという目標の中で、個々のレベルやチームの一体感も上がってきた」と、自身初となる夏の甲子園出場へ向けて自信をのぞかせた。
菰田陽生選手 プロフィール
- 氏名:菰田 陽生(こもだ はるき)
- 生年月日:2008年12月21日
- 出身地:千葉県
- 経歴:九十九里リトルリーグ(御宿小) – 千葉西リトルシニア(御宿中) – 山梨学院高校(2年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:194cm・100kg
- ポジション:投手、一塁手
- 主な特徴や実績:来秋ドラフトの目玉と評される二刀流。投手として最速152キロ、打者としては木製バットで140mを記録する長打力が魅力。2025年夏の山梨大会初戦で左翼フェンス直撃の適時二塁打を放つ。DeNAなど3球団のスカウトが視察し、高い評価を受ける。兄は上武大学の菰田朝陽選手。憧れの選手はドジャース・大谷翔平。50メートル走6秒4、遠投100メートル。




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