全国高校野球選手権秋田大会3回戦が行われ、昨夏代表の金足農業が秋田中央を7-2で下し、準々決勝進出を決めた。2018年の「金農旋風」を巻き起こしたオリックス・吉田輝星投手を兄に持つエース・吉田大輝投手(3年)が先発。プロ4球団のスカウトが見守る中、8回を3安打2失点(自責1)に抑える好投で、チームを勝利に導いた。
兄と同じマウスピースで雄叫び、103球の熱投で8強導く
マウンド上で気迫を見せた。1点リードで迎えた2回2死三塁、捕逸で同点に追いつかれた後に吉田大輝投手はギアを上げ、後続を空振り三振に仕留めると、雄叫びを上げた。その口元には、兄・輝星投手と同じ、真っ白のマウスピースが光っていた。
初戦の立ち上がりの課題を克服し、この日は初回を三者凡退。最速144キロを計測したストレートにスライダー、チェンジアップを駆使し、8回を投げ103球、3安打6奪三振2失点。「低めに球を集めることができた」と、粘りのピッチングで試合を作った。
DeNAスカウト「スピンが多く、回転数が高い」と絶賛
そのポテンシャルに、プロのスカウトも熱い視線を送る。ネット裏には巨人、DeNAなど4球団のスカウトが集結。DeNAの河野スカウトは、そのストレートの質を高く評価した。
横浜DeNA・河野スカウト:「ボールが良い。スピンが多く、回転数が2400から2500を計測する」
プロでもトップクラスに匹敵する回転数を誇るそのボールは、大きな武器だ。まだ進路について明言はしていないが、兄も進学かプロ入りかが注目され、プロ入りを決断して事もあり、大輝投手もプロ志望届を提出する可能性がある。
「最後の夏、死ぬ気でやりたい」兄の思いも背負って
マウンドでは熱い姿を見せるが、普段は「明るくて面白い。ギャップがありますね」とクラスメートが語るように、オンとオフの切り替えをする。開会式前日には、兄・輝星投手からLINEで「もう一回甲子園行けよ」と激励された。「今年絶対行くから、また見に来てね」と返信したという。
昨夏、2年生エースとして甲子園のマウンドを経験したが、初戦で敗退。「抑えなきゃいけない場面で抑えられるように」と、エースとしての自覚は十分だ。金足農業史上初となる夏の甲子園連覇へ、「最後の夏、死ぬ気でやりたい」。兄の思いも背負い、再び聖地を目指す。
吉田大輝投手 プロフィール
- 氏名:吉田 大輝(よしだ たいき)
- 生年月日:2007年4月23日
- 出身地:秋田県潟上市
- 経歴:天王ヴィクトリーズ(小1) – 天王中学校(軟式野球部) – 金足農業高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:179cm・85kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:オリックス・吉田輝星投手を兄に持つ最速146キロ右腕。2025年夏の秋田大会3回戦で8回2失点の好投。DeNAなど4球団のスカウトが視察し、DeNA・河野スカウトから「ボールが良い。スピンが多く、回転数が高い」と評価される。金足農業では1年秋からエースナンバー。昨夏、エースとして甲子園出場。





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