全国高校野球選手権神奈川大会では川崎総合科学が上溝南に1-9で7回コールド負けを喫した。プロ注目の左腕・小宮悠瞳投手(3年)は、6回にリリーフ登板し1回を無失点に抑える意地を見せたがチームは敗退。試合後、涙をぬぐいながら「高卒でプロが夢。志望届を出して選んでくださる球団があるのならそこで頑張りたい」と、プロ志望を明言した。
「自分が抑えて流れを」1回無失点の意地、打ってもチーム初安打
この日はなかなか小宮悠瞳投手の登板がなかった。前回の登板で173球を投げており、この日は中3日ということで先発を回避し、「1番・中堅」で出場していた。点差は開いてゆき8点のビハインドとなった6回、ようやくエースがマウンドへ向かった。「自分が抑えて流れをもってこようと思って投げました」。その思いをボールに込め、先頭打者にヒットを許しながらも後続を断ち、1イニングを無失点に抑えた。
打撃では4回にチーム初ヒットとなるタイムリーを放つなど、最後まで孤軍奮闘した。しかし、試合後は「初回の攻撃から1点を取る意識が薄くて淡泊だった」と、野手の立場からチームの敗戦を振り返った。
ヤクルトスカウト絶賛「胸郭がやわらかいのは天性のもの」
強豪・湘南学院戦での173球完投勝利から中3日。その疲れも見せずマウンドに上がった左腕に、プロのスカウトも注目していた。この日視察したNPB3球団の中でも、東京ヤクルトの余田スカウトはその素材の良さを高く評価した。
東京ヤクルト・余田スカウト:「胸郭がやわらかいのは天性のもの。腕が長くて遠心力を使って投げる器用さもある。育ててみたい投手」
高卒でプロが夢
180cmの角度のあるフォームから繰り出す最速142キロのストレートと、精度が上がったスライダーが武器。今春、強打の武相を相手に好投したことで自信を深めた。高校野球は終わってしまったが、その夢はまだ終わらない。「高校野球は終わってしまいましたが、高卒でプロが夢。志望届を出して選んでくださる球団があるのならそこで頑張りたい」と話し、しっかりとプロ志望を明言した。
かなりの素質を感じさせる左腕投手だと思う。球の力も十分あり、ドラフト会議では育成ドラフトで指名がありそうだが、プロ入り後にかなり注目される投手になっていくのではないかと思う。
小宮悠瞳投手 プロフィール
- 氏名:小宮 悠瞳(こみや ゆめ)
- 所属:川崎総合科学高校(3年)
- ポジション:投手、外野手
- 投打:左投左打
- 身長:180cm
- 主な特徴や実績:最速142キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の神奈川大会3回戦で敗退するも、リリーフで1回無失点、打ってもチーム初安打となるタイムリーを放つ。ヤクルト・余田スカウトから「育ててみたい投手」と素材を高く評価される。強豪・湘南学院戦では173球の2失点完投勝利を挙げている。


コメント