全国高校野球選手権茨城大会の3回戦では、水戸啓明がつくば国際大高に11-0で5回コールド勝ちし、ベスト16進出を決めた。プロ注目の最速146キロ右腕・中山優人投手(3年)が今夏初登板し、1イニングを1安打無失点、2奪三振と好投、ネット裏に集結した阪神、巨人、ロッテ、オリックスなど6球団12人のスカウトがその投球に注目した。
「良い緊張感が味わえた」1回無失点2Kの夏初登板
背番号1がマウンドに上がると、ネット裏の空気が変わった。11点リードの5回、2番手として今夏初登板した中山優人投手。「自分の代の夏なのでいい緊張感がある。球速にこだわらず、テンポよくコントロールを意識して投げました」と、この日は全てストレート勝負。最速140キロながら、持ち前の制球力で打者を圧倒した。先頭に内野安打を許したものの、後続を2者連続三振に仕留めるなど、1イニングを無失点に抑え、試合を締めくくった。
この夏はここまで登板はしていなかったが、故障など状態が悪かったのではなく、他の投手や打撃陣がしっかりとエースの温存に成功していた。この日も4回まで登板が無い中で11−0とし、登板はないかと見られたが、流石に試合の度に足を運ぶスカウトに配慮したのか、1イニングだけ登板をした。
ロッテ、巨人、オリックスのスカウトが絶賛「将来像は楽天・岸」
182cm65kgとまだ細身ながら、素晴らしいきれいなフォーム、力感なくバランスが良く、腕の振りにしっかりと繋がっている。昨冬から12球団が視察に訪れているという逸材に、この日も阪神が3人態勢で視察するなど、ロッテ、巨人、オリックスなど6球団12人のスカウトが集まった。
千葉ロッテ・菅野スカウト:「バランスの良い投げ方。スピードガン以上に球質が良い」
巨人・円谷スカウト:「しなやかでピッチングがうまい」
オリックス・佐野スカウト:「投げ方に癖がなくキレイ。楽天の岸さん」
「自分が勝たせて有名にしたい」強豪からの誘いを断り、選んだ道
中学時代、常総学院や土浦日大、沖縄の興南など約20校の強豪から誘いを受けた。しかし、中山投手は「そこで勝つのはおもしろくない。自分が勝たせて水戸啓明を有名にしたいと思った」と、地元の水戸啓明への進学を決意。元中日の春田剛監督(38)の下で成長を遂げ、「去年と比べ初速と終速の差が少ない。後輩指導もできるようになり、本当に大黒柱」と指揮官も全幅の信頼を置く。
昨冬からプロ入りを意識し始めたという右腕。「自分が勝たせるんだという気持ちを強く持って、しっかりコースに投げていきたい」と話す。春田監督は「みんなが勝ちに向かっているのに、ひとりだけプロに向かっていたときもあったが、いまはチームを引っ張ってくれています」と話し、チームを率いる熱い思いを持つエースとなった。水戸短大付時代の2002年センバツ以来となる、校名変更後初の甲子園へチームを導く。
中山優人投手 プロフィール
- 氏名:中山 優人(なかやま ゆうと)
- 所属:水戸啓明高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投両打
- 身長・体重:182cm65kg
- 主な特徴や実績:プロ注目の最速146キロ右腕。2025年夏の茨城大会3回戦で今夏初登板し、1回を1安打無失点2奪三振。阪神、巨人、ロッテ、オリックスなど6球団のスカウトから高い評価を受ける。元中日・春田剛監督の指導を受ける。強豪校約20校からの誘いを断り、水戸啓明に進学。




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