全国高校野球選手権三重大会は準決勝が行われ、津田学園が昨夏代表の菰野に3-1で勝利し、4年ぶりの決勝進出を決めた。試合は、三重県屈指の左腕と評される津田学園・桑山晄太朗投手(3年)と菰野・栄田人逢投手(3年)の両エースによる壮絶な投手戦となり、二人の奪三振は合計30を数えた。投げ合いを制した桑山投手が、チームを2019年以来の夏の甲子園へ、あと1勝と迫る決勝の舞台へと導いた。
桑山14K、栄田16K!県内屈指の左腕対決
互いの意地とプライドがぶつかり合った。津田学園のエース・桑山晄太朗投手は、最速146キロを計測したストレートを主体にスライダーを織り交ぜ、9回を投げ抜き5安打1失点、14奪三振の快投。「菰野に勝たないと甲子園はないと思っていたので、素直にうれしい。最後まで投げきって、エースとして背中でチームを引っ張れた」と胸を張った。
対する菰野のエース・栄田人逢投手も、161球の熱投で9回を投げ抜き8安打3失点ながら、桑山投手を上回る16奪三振。9回には160球に達しながらも140キロ超の速球を投げ込む気迫を見せたが、打線の援護に恵まれなかった。試合後、栄田投手は「自信のある真っすぐで押せて、悔いなくやり切れた」と、全力を出し切ったすがすがしい表情でライバルを称えた。
両エース合わせて30奪三振という圧巻の投げ合いに、津田学園の佐川監督も「栄田君と桑山の投げ合いはここ数年で一番すごかった」と興奮気味に語った。
ライバルとの対決を制し、聖地へ
桑山投手にとって、栄田投手は常に意識してきたライバルだった。昨夏、2年生9人の布陣で甲子園に出場し、聖地のマウンドで活躍した栄田投手の姿が、その思いを強くさせた。「パワーがあって振ってくる。逃げずに攻めよう」と、この日は序盤から全開で勝負を挑み、見事投げ勝った。
打線も、16三振を奪われながらもわずかなチャンスをものにした。津田学園は4回に井上選手のタイムリーで先制すると、6回と9回にも貴重な追加点を挙げ、エースを援護した。佐川監督は「桑山が象徴と言われるけど、心の底から信頼できる選手がそろっている」と、チーム一丸での勝利を誇った。王者を倒した自信を胸に、4年ぶりの決勝、そして5年ぶりの夏の甲子園を目指す。
桑山晄太朗投手 プロフィール
- 氏名:桑山 晄太朗(くわやま こうたろう)
- 所属:津田学園高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:最速149キロの本格派左腕。2025年夏の三重大会準決勝で、菰野のエース・栄田人逢投手と投げ合い、9回5安打1失点14奪三振で完投勝利。投手専念を機に急成長した。
栄田人逢投手 プロフィール
- 氏名:栄田 人逢(さかえだ とあ)
- 所属:菰野高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:三重県屈指の左腕。2025年夏の三重大会準決勝で、津田学園のエース・桑山晄太朗投手と投げ合い、9回8安打3失点ながら16奪三振の力投を見せた。昨夏、エースとして甲子園に出場し1勝を挙げている。




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