全国高校野球選手権の甲子園大会は8日目、昨春のセンバツ王者・健大高崎(群馬)と昨夏王者の京都国際(京都)が激突する史上初の「前年春夏王者対決」が行われ、健大高崎が3-6で敗れた。今秋ドラフト1位候補の最速158キロ右腕・石垣元気投手(3年)が155キロをマーク、視察したスカウトから絶賛の声が挙がった。試合後にはプロ志望を表明した。
石垣元気投手は2回28球のみ投球も甲子園最速タイ155キロ2度記録、涙なき敗戦「やりきった」
この試合で、プロ注目の石垣元気投手は先発をせず、この春からのチームのパターンであるリリーフでの登板となったが、その出番は3点ビハインドの7回から4番手としてだった。
この夏までに磨いてきたカットボールなど小さく変化する球で空振りを奪えたが、やはり球場が湧いたのはストレートだった。甲子園最速タイとなる155キロを2度記録し、ストレート18球の平均球速は151.3キロだった。それでも速球に狙いを定めた京都国際打線に2安打を許したが、2回を投げて2安打2奪三振、無四球で無失点に抑えた。
この日の投球について石垣投手は、「自分が流れを、3人で抑えようと思ってマウンドに上がりました」と話したが、「あんまり納得いく球が投げられなかった。フォークボールの低めを見極められたので、そこは対策してきた部分かなと思う」と続けた。そして、「悔しい気持ちはもちろんありますが、2年半やり切ったという気持ちが大きかったです」。試合後、石垣元気投手の目に涙はなかった。
日米12球団スカウトがチェック
この日もネット裏には日米12球団のスカウト陣が陣取り、視察をしていたが、
北海道日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長:「常時150キロを出して、制球もできている。12人に入る選手。北海道出身でもあり、注目しています」
横浜DeNA・八馬アマスカウティングGリーダー:「今年の高校生の中ではNO・1。速球に目が行きがちだけど、今日は変化球がよくなっていた。カットボールもフォークも一級品。プロに入っても、早めに1軍に出てくる投手ですよ」
東京ヤクルト・橿渕スカウト育成グループデスク:「もっと見たかったのが正直なところdすが、直球も変化球もやはりトップクラスの物を持っていることは改めて確認はできました」
巨人・大場スカウト部主任:「高校生ナンバーワンの評価で、順調に右肩上がりの成長をしている」
石垣投手は、「プロ一本でいこうと思ってます」とプロ志望を明言。甲子園の土は持ち帰らず、「プロの舞台でもやることがあると思うので、土は必要ない」と、次のステージを見据えた。
将来はメジャー、投球制限の夏
この夏は甲子園の1試合2イニングと、群馬大会の2試合5イニングの合計7イニングを投げて2安打10奪三振無四球で無失点、防御率0.00という内容だったが、故障の無い有力投手にしてはあまりにも少ない登板機会だった。これについて青柳監督は「出力が高いぶん、故障のリスクがある。トレーナーや病院の先生と話し、将来をつぶさないように1試合で80~100球という考えがありました」と話し、この夏の投球数を制限していたという。そして、「勝ち上がれば先発も考えていた。夏の日本一を見据えてある程度プランを決めてやってきた。今日は相手がしぶとい打線だから石垣1人では無理だと。後半に勝負が来ると思ったんですけど、自分自身の読みが甘かった。序盤の6点は大きかった」と話し、勝ち上がったら石垣投手の先発の可能性があったことも話した。
石垣投手は、「U18代表に選ばれたら、1位でいく実力を見せたい。日本を背負う投手になりたい」と話す。プロ野球だけでなく、将来は「メジャーでも活躍したい」と話すその視線は、すでに世界へと向いている。
石垣元気投手 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 生年月日:2007年8月16日
- 出身地:北海道登別市
- 経歴:柏木ジュニアーズ(幌別西小1年) – 洞爺湖シニア(登別西陵中) – 健康福祉大学高崎高校(3年)
- 投打:右投両打
- 身長・体重:180cm・78kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速158キロを誇る今秋ドラフト1位候補右腕。2025年夏の甲子園2回戦で甲子園最速タイの155キロを2度マーク。日米12球団のスカウトから高い評価を受ける。卒業後はプロ志望届を提出する意向。

















































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