広島カープのドラフト1位ルーキー・加藤拓也投手がプロ初登板すると、9回1アウトまでノーヒットノーランの快投を演じた。
外れ外れ1位
広島は昨年のドラフト会議で、最初に田中正義投手を指名、抽選を外すと次は佐々木千隼投手を指名した。その抽選も外して指名したのが加藤拓也投手だった。
加藤投手は慶応大でエースとして活躍、剛速球を武器にリーグを代表するエースだったが、力で抑えるスタイルと制球の課題があり外れ外れ1位での指名となっていた。
キャンプは1軍でスタートし、最後まで1軍に行きこのった。しかしオープン戦では期待されたものの制球難を指摘され、開幕直前に2軍に降格していた。
それでも加藤投手は持っている。この日はエースのジョンソン投手が登録抹消となり、代わりに先発の機会が回ってきた。そのチャンスに加藤投手は最速151キロの力強い速球とフォークでヤクルト打線にヒットを許さず、9回1アウトまでノーヒットノーランを継続する。バレンティン選手にヒットを許すと、その後タイムリーヒットで1失点、結局9回1/3を投げて2安打1失点、7つの四球を与えるなど課題もあるが、緒方監督は「たいしたもんだ。これでなかったらうそでしょ」と話し、ローテーション入りが正式に決まった。
前日にプロ初勝利を手にしていた佐々木投手よりもよい内容で勝利を手にした。セリーグでは一番乗りの勝利を手にし、加藤投手のプロ野球人生が始まった。
この日は最速151キロを計測した直球にフォーク、スライダーを駆使し、7四球を与えながら7三振を奪う快投だった。お立ち台で加藤も「次はもっと四球を減らしたい」と反省したが、「荒れ球」を武器に思わぬ形で巡ってきたチャンスをものにしたのも事実だ。
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