巨人のドラフト1位ルーキー・西舘勇陽投手が紅白戦で先発し、1回を無失点に抑えた。
ストレートの強さ
先発した西舘勇陽投手は、まず先頭打者のオコエ選手と対戦すると、ライトへの強い当たりを許したものの、外野手の好捕で1アウトを取る。続く重信選手と若林選手にはカーブを使ってそれぞれファーストゴロ、レフトフライに打たせてとった。
最速は149キロを記録した。7日のシート打撃ではフォークボールを見極められており、岸田捕手と「フォークの落差を求めるか、速さを求めるか」の話し合いをしてフォークの球速を高めることを選択、握り方をスピードの出るものに変えた。この日は若林選手がこのフォークボールを空振りした。
課題もしっかりと見えた。ストレートは低めに140キロ後半を記録し、コントロールの良い西舘投手らしさを見せる。しかし、クイックから投げるストレートは、大学時代もタイミングが取られやすく、低めから沈むフォークボール、そしてカーブの緩急が重要だった。
シート打撃のときもこの日も、ストレートは見逃しストライクを奪えるが、空振りを奪える感じではなかった。これからの課題はやはり変化球のコントロール、そしてタイミングがあっても押し込むくらいのストレートの強さが必要といえ、それが西舘投手の特徴だと思う。
ストレートの出力が150キロ台中盤になってからが本当に西舘投手だが、その出力を1年間キープすることはまだ難しい。今年はまず1年間、試行錯誤しながら投げ、そして来年までに出力をさらに増す、またはフォームの改良を行っていくような形で成長し、西舘投手を獲得した本当の価値は、来年以降に見られるのではないかと思う。
他球団のスコアラーの反応は次の通り。
中日・岩田慎司スコアラー:「球種は多彩なので、全部カウント球で使えるし勝負球にもなるというぐらいのクオリティー。狙い球は絞りにくい。」
阪神・飯田正男スコアラー:「まとまりはありますよ。変化球でストライクが取れる。あとは真っすぐがどれだけ強く投げられるか。」
セ・リーグ球団スコアラー:「いい球を投げていたし、変化球もすごい良かった。あのクイックはやっぱり難しそう」
その他スコアラー:「球種が多彩で、全部がカウント球で使えるし、勝負球にもなるクオリティー」






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