JABA岡山大会は決勝戦でJFE西日本がJR東海に勝利して優勝を決めた。鹿児島実時代に注目された綿屋樹選手が決勝のホームランを放った。
大卒3年目と同じ学年
この日の決勝戦はJFE西日本とJR東海の対戦は0-0のまま8回を迎える。JFE西日本の4番を打った綿屋樹選手は「本塁打でしか点の入らない展開。4番の仕事をしようと思っていました」と打席に入ると、カウント1−1からの甘いチェンジアップを逃さずに完璧に捉え、打球はライトスタンドに飛び込んだ。3-0で勝利して優勝し、綿屋選手が今大会のMVPに輝いた。
綿屋選手は鹿児島実時代に高校通算26本塁打を放ったスラッガーで、U18代表候補合宿にも参加していた。直接JFF西日本に進みプロ入りを目指したが、同じ年に同じく高校からJFE西日本に入った河野竜生投手(2019年、北海道日本ハムドラフト1位)の球を見て、「河野を見て、この会社でやっていくしかないと思った。」とプロ入りを諦めたという。
今年は社会人7年目、ドラフトの世代で行くと大学から社会人に進んで3年目の代になるが、社会人野球では結果が出せずに苦しんだときも多かった。レギュラーに定着せずにいた日々も長く、「何度も野球をやめようと思った」と話す。しかし、やめてしまうと後輩が入社できなくなると思い、野球を続け、マシン打撃を黙々と繰り返した。
昨年からレギュラーとして出場をするようになると、今大会のMVPでチームを日本選手権出場に導いた。「今があるのは、我慢して使っていただいたからです」と感謝を述べる。
プロ入りという夢はもう諦めているようだが、高校時代に注目したスラッガーが社会人で花開く、苦しい日々は選手を強くさせた。

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