JABA長野大会ではパナソニックが伏木海陸運送に勝利し白星スタートを切った。最速153キロを誇る社会人3年目の定本拓真投手(24)が、9回を投げ抜いて1失点完投勝利を挙げた。
最速153キロ右腕が完投勝利!投手陣の柱として真価を発揮
定本拓真投手は、JABA長野大会の予選リーグ初戦で先発を任された。8安打を浴びながらも、要所を締める粘り強い投球を見せ、9回を1失点に抑えきり、チームを勝利に導いた。初回二死満塁のピンチでは空振り三振を奪うなど、立ち上がりでの失点を抑えると、2回にも一死一、二塁と得点圏に走者を背負ったが、冷静に後続を打ち取りピンチを脱した。
定本投手は、先週開催されたJABA岡山大会では全3試合にリリーフとして登板していたが、「長野は先発でいく」と首脳陣から伝えられており、先発調整に切り替えた。ブルペンでの投球数を増やしただけでなく、「いつも以上にバッターを意識しました」と試合を想定した準備を行ってきた。
粘りの投球と修正能力「後半になるにつれて修正できた」
定本投手は自身の投球内容について、「完投できたのは良かったですが、内容としては悪かった。その中で後半になるにつれて修正できたのは良かったですし、唯一の収穫だと思います」と冷静に振り返った。試合の中で、自身の投球フォームに「上半身が突っ込み気味だった」ことを感じ取り、イニングの都度、修正を試みた。右足に重心を置くことを意識した中盤以降は、ストレート、変化球ともに精度が高まり、より安定した投球を見せた。
試合中に自身の課題を見つけ、それを修正していく能力がある。投手として非常に重要な資質であり、先発投手としての能力を十分備えている。決して本調子ではなかったと本人が語る中で、完投勝利という結果を残したことは、定本投手にとって、大きな自信となるだろう。
先発・リリーフ問わずフル回転!二大大会優勝を目指す3年目
次回の先発登板に向けては、「きょうは四球を出したので、初回の先頭を大事にしたい。そこを乗り切れば、自然と乗ってくると思う。先頭への入りは難しいですが、そこに一点集中するぐらいの気持ちでやっていきます」と語り、今日よりも更に安定した投球を目指す。
三重高校時代に大阪桐蔭の根尾選手や藤原選手と対戦し、「あのレベルの打者が詰まったり、タイミングが合っていないのを見て、上のレベルでも勝負できると思えた」と話したものの、3年夏に左膝蓋骨の骨折が発覚し、プロ志望をせずに大学に進学することを決めた。そして関西大でも153キロの球速を誇りながらも先発として長いイニングを投げてチームを支えたが、「平均球速で言うと145キロ程度。球が速い投手がたくさん出てきて150キロでは勝負できないと思った」とプロ志望をせずに社会人に進んでいる。
昨年は大学卒2年目として注目されたが指名は無く、今年は社会人3年目となる。実践経験豊富な投手で円熟味も増してきたが、まずはチームの目標である都市対抗野球大会、日本選手権での優勝に向けて、先発・リリーフと任された役割を全うしベストを尽くす。夏前に行われる都市対抗の予選でどのような投球をするのか、本人もそしてプロ球団のスカウトも、まずはそこがポイントとなってくる。そこでプロでもやれるというピッチングができ、プロのスカウトも評価できる投球ができた時、いよいよ、定本投手のドラフト指名へとつながってくるかもしれない。
プロのステージでは千葉ロッテに進んだ藤原選手などが待っている。
定本拓真投手 プロフィール
- 氏名: 定本 拓真(さだもと たくま)
- 所属: パナソニック
- 年齢: 24歳(2025年4月時点)
- ポジション: 投手
- 経歴: 三重高校 -関西大 -パナソニック
- 投打: 右投左打
- 最速: 153キロ
- 特徴: 最速153キロのストレートを武器とする右腕だが、先発投手として粘りの投球ができる投手。先発、リリーフ問わずこなせる点がポイント。

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