京都大・田中英祐投手が開幕完投で1勝、9球団のスカウト視察

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 関西学生野球リーグの関西学院大vs京都大の試合は、昨年リーグを制した関西学院大の宇都宮健太投手と、リーグ屈指のエース・京都大の田中英祐投手が投げ合い、田中投手が完投して2-1で京都大が勝利した。

最速146km/h

 田中英祐投手は最速148km/hを投げ、立命館大や同志社大、近畿大などの強豪が揃う関西学生野球リーグにおいても屈指のエースと評価されている。この日はストレートは146km/hを記録、9イニングのうち7イニングでランナーを出すなど楽なピッチングではなかったが、スライダー、カーブ、そして覚えた場ばかりのスプリットを投げ、9回最後の打者はストレートで三振を奪い合計8三振を奪った。

 9回を投げて4安打8奪三振3四死球、失点は1だが味方のエラーによるもので自責点は0、昨秋のリーグ覇者を抑えた。これでリーグ通算は5勝目、これまでリーグでは21敗しているが、投球内容では相手以上の投球をしているものの、打線や野手の層の厚さで粘りながらも敗れた試合が多かった。この日は宇都宮健太投手から2点を奪った京都大打線も田中投手を援護してくれた。拍手を送りたい。

 

プロ9球団が視察

 この投球に、中日、阪神、埼玉西武、福岡ソフトバンク、オリックスなど9球団のスカウトが視察した。中日の中田スカウト部長は「魅力的な投手で、上積みが期待できる。肩の可動域も広い」と投手としての素質の高さを評価した。また埼玉西武の渡辺SDは「まとまっているし、伸びしろがたくさんある。みっちりやったら面白い」と話すと、阪神・池之上スカウトも「変化球を巧みに織り交ぜる投球術も素晴らしい。長い目でも即戦力でも魅力的」と即戦力としても評価していた。阪神・南球団社長は田中投手と同じ白陵高校出身という事で、阪神は練習試合にも顔を出し熱気が伝わってくる。

 京都大学工学部の田中投手はプロ野球の道も企業人や研究者などの道もあるし、社会人野球の4チームからも誘いがあるというが、この春の投球で進路を決めるとしている。田中投手は「野球をやっている以上、上の世界は誰しもが考えること。」と話し、「今はリーグ戦でどんな結果を残すか」とこの春に全てをかけている。まずはその1歩目となる1勝でスタートした。プロへの階段を1歩1歩上っていく。

 

宇都宮健太投手は6回6安打5奪三振

 一方、昨年のリーグ覇者の関西学院大、この日は明治神宮大会で16奪三振を記録したエースの宇都宮健太投手が先発したが、6回を投げて6安打5奪三振、自責点は0だったものの5回に味方が1点を奪った後の回に2失点して逆転で敗れた。

 来年のドラフト候補で1試合に2ケタの三振を奪う事が多いのだが、結果を見るとそれほど調子が良くないようだ。9球団のプロのスカウトは宇都宮健太投手の投球もチェックをしただろうが、今年は来年のドラフト会議の為に大切な年となる。

 

 京大のエースが、プロ入りへ順調なスタートを切った。昨秋の王者を相手に堂々の1失点完投ショー。京大では82年の新リーグ発足以降、最多となる通算5勝目を挙げた田中は「きょう勝つために頑張ってきたので本当によかった」と最高の笑みを浮かべた。

 兵庫・白陵高出身。県内屈指の進学校で甲子園は遠い存在だったが、大学で素質が開花した。今冬も徹底した投げ込みと体幹トレで鍛え、開幕から自身の最速148キロに迫る146キロをマーク。覚え立てのスプリットを交え8三振を奪った。

 この日は阪神など9球団が視察。西武・渡辺SDは「伸びしろもたくさんありそう。みっちり練習したら面白い存在」と指摘。中日・中田スカウト部長は「持っているものは素晴らしい。高い評価になるね」と、秀才右腕を絶賛した。

 「調子は決して良くなかったのですが、結果がついてきて良かったです。ここ(開幕戦)に勝つためにやってきましたので」

 球の力強さは最後まで落ちなかった。最後の打者も威力ある外角高め直球で空振り三振に仕留め、京大投手としては最多となる通算5勝目を挙げた。寶(たから)馨監督は「5個と言わず、10個、15個と勝って欲しい」とさらなる快投を求めた。

 社会人野球の4チームから誘いもあるが、春は就職活動を封印し、リーグ戦に集中する。「野球をやっている以上、上の世界(プロ)は誰しもが考えること。どんな結果を残せるのか、春が勝負」とプロ入りの選択肢を加えるか否か、春の成績を一つの目安に据えた。

京大・田中5勝目 プロ9球団視察 - デイリースポーツ:2014/4/6

 昨秋、1勝1敗で迎えた関大との最終戦で0‐1と惜敗。「『もう1歩』を乗り越えるためには今日、勝つしかないと思ってました」と、粘り抜いた勝利の喜びに浸った。

 スタンドではプロ9球団のスカウトが田中の投球に注目。西武・渡辺久信SDは「まとまっているし、伸びしろがたくさんあると思う」と評価。阪神・池之上格スカウトは「投球術を確立している。長い目でも即戦力でも、魅力的」と話した。

 田中は「(プロは)野球をする、誰もが考えること。今はリーグ戦でどのような結果を残すかです」と、まずは京大の歴史を塗り替えることに集中する。


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