福岡六大学リーグでは、九州共立大と九州産業大の強豪対決が行われ、九産大が9回の攻防でサヨナラ勝利した。九共大のエースでプロ注目の稲川竜汰投手は2回で5失点という内容だったが、広島のスカウト部長は秋に向けて評価をした。
1年から活躍の大瀬良2世右腕は2回5失点
首位を走る九産大と、それを追う九共大の対戦となり、九共大は昨年11月に右膝の手術を受けた稲川竜汰投手が、2023年秋以来となる先発登板をしたものの、制球が定まらずに2回で5失点という内容に終わった。「力が入ってしまった。打ってくれたのに申し訳ない」と話した。
それでも3つの三振を奪うなど力のある球も見せると、視察した広島の田村スカウト部長は「潜在能力は劣らない。秋が楽しみです」と話し、完全復活となりそうな秋にチェックをするとした。広島ではエースの大瀬良投手が九共大出身で、また、島内投手も九共大出身の投手で、球団における九州共立大の評価というのは自然に高まってくる事になる。稲川投手も140キロ後半の速球を投げる本格派タイプの投手で、大学1年時から九共大のエースとして投げていた所も大瀬良投手に非常に似ている所があり、大瀬良2世として注目され続けてきた。
この試合は3回まで九産大が5点、九共大が4点を奪う乱打戦となったが、4回以降はともに1点ずつを奪う展開となり九産大1点リードのまま9回を迎える。9回に九共大が同点に追いついたものの、その裏にこちらもプロ注目の4番・北村健一郎選手のサヨナラ2ランホームランが飛び出し、首位・九産大が先勝した。
九産大は投手陣が安定しており、今季はここまで6試合ですべて2失点以下だったが、この日はさすがの九共大打線に6点を失った。それでも野手がカバーして勝利した。
敗れたものの九共大の稲川投手は今年のドラフト候補右腕として注目される。1年から投げ続けてきた事で右膝の故障につながってしまったかもしれないが、まずはそこからの復活を目指したい。秋にこれまで通りの投球を見せることができ、なおかつ、自己最速を更新してくるような投球ができれば、ドラフト直前に一気に評価で捲ってくる可能性もある。今はただ、評価するプロ側も、そして稲川投手も、良い状態に戻ることを待つ時期となる。
今年は東都リーグを中心に大学生右腕投手の名前が取り上げられているが、秋には稲川投手の名前が何度も登場してくることになると思う。とにかく待ちたい。

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