春季高校野球滋賀県大会の決勝が10日に行われ、滋賀学園高校がライバル近江高校を8-0で破り、2年連続2回目の優勝を飾った。今秋ドラフト候補に挙がる長身右腕、長崎蓮汰投手(3年)が投打にわたる活躍を見せ、チームを優勝に導いた。今春センバツ高校野球での悔しさをバネに進化を続けるエースの姿を見せた。
2年連続滋賀県王者に、ドラフト候補右腕が投打で躍動
滋賀学園高校のエース、長崎蓮汰投手が春季滋賀県大会決勝のマウンドで先発する。相手は強豪・近江高校で、長崎投手は9安打を浴びながらも要所を締める粘りの投球で7回を無失点に抑えた。打撃でもその能力を発揮。2回二死二塁の場面でレフト前へ先制の適時打を放つと、この一打がチームの勢いをつけ、この回一挙6得点のビッグイニングへと繋がった。さらに5回一死二塁からも適時三塁打を放つなど、投打にわたる活躍でチームの8-0での大勝、そして2年連続の滋賀県王者に貢献した。この勝利により、滋賀学園は2024年春季大会から続く県内連勝を20に伸ばした。
センバツの悔しさバネに「自分のせいで負けない」投球へ
長崎蓮汰投手にとって、今春のセンバツ高校野球は悔しい経験となった。1回戦の浦和実業戦に先発したが、6回1/3で5安打3失点とまとめたものの、自分よりも球速の遅い浦和実・石戸颯汰投手の前にチームが完封されて初戦敗退した。センバツでの悔しさについて長崎投手は、「悔しさっていうのは誰よりも一番に思っている。自分のせいで負けないためにこの1か月やってきたつもりです」と話す。
特に、「押し切ったつもりが、間に落ちるなど抑えきれなかった」と、勝負では勝ったと思った打球が内野手の頭をこえて外野との間に落とされたことで、この1ヶ月は、より力強い球を投げる投球を磨いてきた。最速142キロは変わらないが、真っすぐの質には確かな成長を感じているという。
この日の決勝での投球については、「運良くゼロに抑えられた。変化球の精度ももう一つで。マウンド上では余裕があったので投球のテンポを変えるなどしていった」と振り返り、まだ課題も見える投球だったが、それをしっかりと認識している様子を見せた。
エース争い、近畿大会、そして夏の甲子園へ!「プロ一本」を目標に
長崎投手は186cmの長身右腕としてプロが注目しており、本人も進路について「プロ一本」と明言している。ラストアピールとなる最後の夏に向け、「スピードはもちろん、投球の技術的なことも仕上げていかないといけない」と語り、隙なく準備を進めているが、滋賀学園高校には、二枚看板のエース候補で143キロの速球を投げる土田悠貴投手(3年)もおり、うかうかしていたらエースを奪われる可能性もある。
寮で同部屋だという二人は、「ライバルなんですけど、自分に足りないものとか、逆に土田に足りないものとか、日々喋りあっています」と語るように、互いに刺激し合いながら成長している。この日の決勝戦でも、長崎投手の後を受けた土田投手も好投を見せた。2年連続滋賀県王者を掴んだ滋賀学園は、24日から行われる近畿大会に出場する。近畿大会でおそらく全国クラスの強敵たちと対戦する事になるが、2年連続3度目の夏の甲子園出場へ向けて、選手が1ランク成長をするための重要なステップとなる。
そして長崎投手も近畿大会でどのような投球を見せるのか注目したい。
長崎蓮汰投手 プロフィール
- 氏名: 長崎 蓮汰(ながさき れんた)
- 所属: 滋賀学園高等学校 3年
- 投打: 右投右打
- 身長: 186cm
- 最速: 142キロ
- ポジション: 投手
- 特徴: 今秋ドラフト候補の長身右腕。最速142キロ。今春センバツ出場。投打で能力が高く、春季滋賀県大会で優勝投手。センバツの悔しさをバネに更なる進化を目指す。プロ一本志望。


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