関西学生野球の第6節1回戦が19日に行われ、関西学院大学が近畿大学に3-2で競り勝った。3季連続優勝を目指す関西学院大にとって負ければ優勝の可能性が消滅する一戦だったが、故障から復活した最速148キロ右腕・坂本安司投手が9回の満塁のピンチを抑えてチームの危機を救った。
復活の雄叫び、満塁斬りで優勝望み繋ぐ
関西学院大学はこの日、4投手を投入する継投策でリードを死守した。3-1とリードして迎えた9回、マウンドに上がったのは坂本安司投手だった。坂本投手は2年春に最優秀投手とベストナインを受賞するなど活躍を見せ、チームのエースとして成長と活躍が期待されたが、その後は故障に苦しみ、昨秋のリーグ戦では18回を投げて13失点と本来の調子を取り戻せずにいた。
この日は重要な9回に登板をしたものの、3四球1安打で1点差に迫られ、なおも一死満塁のピンチを招いた。しかしここで踏ん張ると、最後の打者を空振り三振に仕留めて3-2で逃げ切った。「今日は直球が走っていた。絶対に負けられない試合だったので、何とか抑えようと思って投げた」と振り返った。
今春は救援に転向し、ここまで7試合に登板してフル回転で投げている。ピンチを招いてもチームの信頼は変わらなかった。
プロへの強い決意「故障でダメになったと言われたくない」
坂本安司投手は、大学卒業後の進路について、「プロ志望届を出したい。故障でダメになったと言われたくない」と話す。この言葉には、過去の故障で本調子が出せなかった悔しさと、プロの世界で自分の力を証明したいという強い思いが込められている。
最速148キロの速球と、リーグタイトルを獲得した実績があり、リリーフ投手としてチームを支え、フル回転で活躍する姿は、今後、プロのスカウトも注目していく可能性がある。坂本投手はアピールを続けて自らの手でプロへの道を切り開こうとしている。
その夢を叶えるためにも、大学野球選手権での登板をしたい所だ。この日の勝利で、関西学院大学は3季連続優勝の可能性を残した。本荘雅章監督は、今後のリーグ戦を見据え、「他力優勝しか残っていないが、自分たちの野球ができるように1週間準備をしたい」と意気込みを語った。
厳しい状況ではあるが、その時に向けて準備を続け、いざ、大舞台に立つ事になれば、その力を見せつけてほしい。坂本投手の投球に注目したい。
坂本安司投手 プロフィール
- 氏名: 坂本 安司(さかもと あんじ)
- 経歴: 大崎高校 - 関西学院大学(4年)
- 投打: 右投右打
- ポジション: 投手
- 最速: 148キロ
- 主な実績: 2年春関西学生野球リーグ最優秀投手、ベストナイン受賞。故障から復活し、今春は救援でフル回転。プロ志望届提出を表明。

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