侍ジャパンの井端弘和監督が、神奈川県平塚市で行われている大学日本代表の合宿を視察し、今秋ドラフト候補の逸材たちが揃う中、東海大の大塚瑠晏内野手(4年・東海大相模)を「ナンバーワン遊撃手」と評価した。また、昨年の視察でも絶賛した近畿大学の勝田成内野手(4年・関大北陽)についても、昨年からの成長について評価をしている。
井端監督、世代No.1遊撃手・大塚瑠晏選手に守備伝授
井端監督は、大学選手権で2本塁打を放つなど攻守にわたる活躍で評価を急上昇させた大塚瑠晏選手について、「動き、スピード、正確性において高いレベルにある」と話し、この世代の「ナンバーワン遊撃手」と高く評価した。グラウンドでは、その大塚選手に直接、守備の助言を送る場面も見られた。
また、昨年の大学日本代表視察の際に、その野球センスを絶賛していた近畿大の勝田成選手にも、井端監督は「体つきが一回り大きくなっている。フットワーク、送球が安定している。この1年で成長した」と評価した。
そして、「この中からプロ入りして活躍する選手がいると思う。どん欲に質問もされた。うわべだけでなく細かく聞かれ、こちらも真剣に答えた」と、選手たちの意識の高さに感心していた。
後輩・緒方漣選手も「井端2世」のお墨付き
また、この代表には特に井端2世に近い選手がいる。国学院大の緒方漣内野手(2年・横浜)が川崎市の川中島中学校出身で、井端監督の小・中学校の後輩にあたる。
井端監督は「横浜高1年夏の甲子園でホームランを打ったときに、小・中学校が同じと聞いてから特別な思いで見ています。順当に成長してきている」と期待を寄せ、「小、中学校が一緒なら本当の2世でいいかなと思う」と笑った。
井端監督は堀越高校に進み、亜細亜大学を経て1997年のドラフト5位で中日に指名され、その後、プロを代表する二遊間となった。緒方選手は名門・横浜高校に進学してプロに注目され、国学院大に進んでいる。大先輩からのお墨付きに、緒方選手は「すごい方なので、2世と言われるにはまだまだ早いんですが、追いつけるように追いかけていくだけです」と決意を新たにした。
侍ジャパン遊撃手の系譜
侍ジャパンは昨年、宗山塁選手が注目され期待されていたものの、春に死球を受けたことによる骨折などの故障により代表を辞退した。また、No.2と言われた九産大の浦田俊輔選手も出場辞退となった。それでも早稲田大の山縣秀選手が代表でポジションを守った。宗山選手は東北楽天にドラフト1位で指名され、浦田選手は巨人のドラフト2位、そして山縣選手も昨年のドラフト5位で北海道日本ハムに指名されている。
その宗山選手は大学2年、3年時に代表のショートを守っているが、3年時にはアメリカで行なわれた日米大学野球で5試合全でショートで出場し、優勝に貢献している。控えだったのは4年の辻本倫太郎選手で、サードなどでも出場をしていたが、中日にドラフト3位で指名をされた。宗山選手の2年時(2022年)は3年だった辻本選手、そして4年に友杉篤輝選手と林琢真選手が二遊間のポジションを争い、ハーレムベースボールウィークでは宗山選手もショートを守ったが、主に友杉選手が出場をしていた。友杉選手は千葉ロッテのドラフト2位で、また林選手も横浜DeNAのドラフト3位で指名されている。
このように、大学代表でショートを守る選手は、ほぼ確実にドラフト会議で指名される。大塚選手もドラフトでは間違いなく指名されると見られ、ドラフト2位くらいでの指名が予想される。そして、緒方選手もこれから2026年、2027年と大学代表のショートの候補としてプレーする事になりそうで、2027年のドラフト会議が注目される。
大塚瑠晏選手 プロフィール
- 氏名:大塚 瑠晏(おおつか るあん)
- 所属:東海大学(4年)
- 出身高校:東海大相模高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:2025年全日本大学野球選手権で打率.500、2本塁打と活躍し、大学日本代表に選出されたプロ注目遊撃手。井端監督から「ナンバーワン遊撃手」と評され、守備指導を受ける。
勝田成選手 プロフィール
- 氏名:勝田 成(かつだ なる)
- 所属:近畿大学(4年)
- 出身高校:関大北陽高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:2025年関西学生野球春季リーグでMVPなど個人4冠。大学日本代表に選出。井端監督から昨年の視察でも絶賛され、守備指導を受ける。
緒方漣選手 プロフィール
- 氏名:緒方 漣(おがた れん)
- 所属:国学院大学(2年)
- 出身高校:横浜高校
- ポジション:内野手
- 投打:調査中
- 主な特徴や実績:侍ジャパン・井端弘和監督の小・中学校の後輩。井端監督から「井端2世」のお墨付きを与えられる。横浜高校1年夏に甲子園出場、本塁打を記録。大学日本代表候補。







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