侍ジャパン大学代表が横浜DeNAの2軍と練習試合を行い、今秋ドラフト1位候補の青山学院大学・中西聖輝投手(4年・智弁和歌山)が先発。プロの打者を相手に4回を3安打2失点(自責0)、4奪三振と堂々の投球を披露し、視察した各球団のスカウトから高い評価を受けた。
立ち上がり克服し2回以降は無安打の修正力
先発した中西聖輝投手は、初回、味方の失策も絡んで2点を失ったが、「プロ相手というのを意識しすぎた。変化球が多く、かわすような投球になっていた」と話し、立ち上がりをそう振り返った。
しかし2回以降は見事に修正。最速151キロを記録した力強いストレートを軸に切り替え、4回までの3イニングをパーフェクトに抑え込んだ。得意のフォークで空振りを奪う場面もあり、「変化球に関しては良い反応が見て取れた」と、プロ相手にも通用する手応えを感じていた。
課題としていた立ち上がりの失点だったが、森本吉謙コーチ(仙台大監督)から「球自体はいいし、打ち取った当たりが不運に抜けているので悪くないと言われた」というアドバイスを受け、気持ちを切り替えることができたという。大学日本代表の堀井哲也監督も「立ち上がりは慎重になっていた。不運もあったが、2回からは良かった」と、その修正能力を評価した。
横浜DeNA、ロッテのスカウトが絶賛「総合力が高い」「指先が器用」
プロのスカウト陣も、その高いポテンシャルに唸った。横浜DeNAと千葉ロッテのスカウトは、中西投手の投球術と総合力を高く評価した。
横浜DeNA・稲嶺スカウト:「変化球をうまく使っていた。総合力が高く先発完投ができる投手」
千葉ロッテ・福沢スカウト:「試合の中で修正していけていた。何を投げているか分からないくらい。指先が起用なんだと思う」
と話し、高い総合力を評価。そして変化球についても、球種の違いがわからないという腕の振りを評価していた。
日米大学野球へ「特別なことはしない」
日米大学野球では、早稲田大の伊藤樹投手とともに先発の柱となりそうだ。中西投手はこれから迎えるアメリカの強打者たちとの対戦に向けても、「特別なことはしない。リーグ戦と変わらず投げたい」と、自然体で臨むと話した。相手が誰であれ、自分の力を発揮する。春にリーグ戦6勝、大学野球選手権でも投げ、そして日米大学野球と、疲労が溜まっていることは間違いないが、フォームを崩すことなく日米大学野球を戦い、秋のドラフト会議を無事に迎えてほしいと願わざるをえない。
中西聖輝投手 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし まさき)
- 生年月日:2003年12月18日
- 出身地:奈良県
- 経歴:KGヒーローズ(小1) – 橿原磯城シニア(光陽中) – 智弁和歌山高校 – 青山学院大学(4年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm・90kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る今秋ドラフト上位候補右腕。2025年大学日本代表。DeNA2軍との練習試合で先発し、4回3安打2失点(自責0)と好投。DeNA、ロッテなど複数球団のスカウトから高い評価を受ける。2025年東都大学野球春季リーグでは最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの3冠を達成。




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