愛知大会では東邦の藤嶋投手が3回戦の渥美農戦に先発し、7回4安打8奪三振無失点の投球を見せた。昨年夏に苦戦した相手で、初回にいきなりピンチを迎えたが気迫の投球を見せ、マウンドでほえた。
気迫投球
藤嶋健人投手というと、1年生の夏の甲子園でマウンドで抑えるたびにほえる姿が印象的、気迫のピッチングを見せていた。しかし今年春のセンバツではフォームのマウンドでの姿も穏やかになり、球速は146キロを記録し好投ををしたもののやや物足りなさも感じさせた。
この日は球速こそ142キロだったが、初回にノーアウト1,3塁のピンチを迎えると、そこからナックルカーブを連投し3者連続の空振り三振を奪ってほえた。また打者としても3打数ノーヒットに終わったが四球で出塁すると、その後押し出しで先制のホームを踏み、その時も「よっしゃー!」とほえた。
この姿に東北楽天の福田チーム統括本部副会長補佐も「平成ではなく昭和のにおいがする。本当の野球小僧」と話した。
プロスカウト注目
藤嶋健人投手は146キロの速球を投げるエースとして、また高校通算48本塁打を放つ右のスラッガーとして注目されている。この日も東北楽天の他、広島、阪神、中日など6球団のスカウトが視察をしたが、東北楽天の福田副会長補佐は「この夏はどちらかというと打者でどこまでできるかを見たい。初球から変化球もいけるし、力強いスイング。右の長距離は貴重だ」と話した。また阪神の北村スカウトも「打撃の注目度が高くなっている。ボールとの距離感のつかみ方は人にはないものがある。投打の両方でみているので、もう一度見てみたい」と話した。
また中日の清水スカウトは「初回は力が入っていたが、3回から変化球でストライクを取れるようになった。修正力はさすが。こういう投手はプロで活躍できる。勝てる投手。精神的に強い。」と話し、投打で「どちらも面白い選手であることは間違いない。即戦力に近い力は持っている。完成度は高い」と話した。
広島の川端編成部長も「悪いなりの投球ができるのはセンス。真っすぐは初速と終速の差が無く、打者には球速以上に速く感じるはず。」と話し、「打撃もタイミングの取り方は悪くない。下の順位までには残っていない」と話した。
感情を表に出す藤嶋選手「夏は雰囲気。乗ったもん勝ち。」と話し、勝負師としてのにおいも感じさせる。楽しみな選手、期待させる選手になっていくのは間違いない。
東邦(愛知)の「ふじっしー」こと藤嶋健人投手(3年)がプロ4球団のスカウトが見守る中で先発し、初戦を5-0で快勝した。7回を4安打8三振無失点。スカウトのスピードガンで最速142キロを計測した。
コメント