今年の高校NO.1投手、中京大中京の高橋宏斗投手が、進学から一転、プロ志望となった。各球団のドラフト1位指名が大きく変わる可能性がある。
1位競合クラス
高橋宏斗投手は183cmの体から最速154キロの速球を投げ、真っすぐはしっかりと制球をされており、またカットボール、ツーシームなどの変化球も操れる。また、甲子園交流戦では延長10回を投げぬき、9回にも150キロを記録するなど、圧倒的な出力を持っている。
その高橋投手は、大学進学が濃厚という情報が伝わっていたが、それでも各球団のスカウトが、わずかなプロの可能性があるとして追い続けた。それだけの逸材だった。慶応大の受験を受ける段階で、今年のプロ入りはないという雰囲気になったが、大学からの吉報が届かなかった事により、この日、高橋投手はプロ志望を表明した。
「小さい頃からずっと夢見ていたプロの世界に、志望届を提出できるのは凄くうれしいこと。迷いはありません」と話し、元々、大学不合格の場合にはプロ志望届を出すと決めていた。「結果が出た瞬間から、落ち込んでいても何も変わらないので、しっかり次の目標に向かって、進もうと思うようになりました」と話した。
各球団の動き
各球団の評価や動きが伝わっている。
地元・中日は、加藤宏幸球団代表が「評価は高いし、1位候補として考えるべき素材」と話し、13日には与田監督も出席してスカウト会議を行う予定で、「地元の選手だし考え直さないといけない。1位候補として考えるべき素材だと思う。スカウトと相談する。ドラフトに向けて、戦略に彼を加えて話し合っていく」と話した。
また中日の米村アマスカウトチーフは「目標が立たれた時に、僕がコメントをいうのは差し控えたい。もちろん、志望届を出した時点で最高の評価はしている。高校生でいくのか、即戦力でいくのか、答えを出さないといけない。」と話すと、与田監督は「素晴らしい素材。映像でも確認している。彼も加えた中で話をしていきたい」と話した。
中日は2018年に地元・岐阜出身の根尾選手、2019年にも地元・東邦の石川選手を1位指名している。今年は地元出身のトヨタ自動車・栗林良吏投手もドラフト1位指名候補の有力な選手だったが、高橋投手の1位指名が濃厚となりそうだ。
他球団の動き
東京ヤクルト・小川GM「大学進学が濃厚と聞いていたので、可能性は少ないと思っていた。いずれにしろ、プロ志望届提出を受け、チームの状況を考えて、それからになる。候補がひとり増えることになる」
東北楽天・後関スカウト部長「うちは12日の締め切りまでは進学希望と言われている選手も含めて、すべての選手をフラットにみている。締め切られた時点から判断するので何とも言えません。評価としては当然、上位候補でしょう。ボールが強く能力的には優れている。多分、1位で消えるだろうと予想はしています」
北海道日本ハム・大渕スカウト部長「現時点では何とも言えませんが、高校生ではトップクラスでしょう。投げるセンスがある。ただ速いだけじゃなくゲームメークもできる選手」
埼玉西武・渡辺GM「どこかが1位で獲るだろう。そのぐらい真っすぐの力があるし、カットもいい。ゲームをコントロールする能力にたけている。まだ全然決まっていないが、一つ駒が増えた。
広島・苑田スカウト部長「進学希望と聞いていたのでリストから外して考えていた。こんなことになるとは。今後また会議があるから、そこで検討となるだろうが、うちに限らず他球団も戦力がガラッと変わることになるのでは」
横浜DeNA・河原スカウトディレクター「大学に行きたかっただろうから残念だったと思うが、今後、志望届を出せば中森、山下と共に高校生ビッグ3になるだろう」
今後は、高橋投手の1位指名を検討する球団、またそれに伴い、競合が若干少なくなりそうな近大・佐藤輝明選手、早大・早川隆久投手、トヨタ自動車・栗林良吏投手の指名にいく球団などもあるだろう。
高橋投手の進路が、今年のドラフト戦線が大きく動かした事は間違いない。







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