日本高野連は、反発力を抑えた新基準のバット導入を決定した。ただし、導入は2年間の移行期間を経て、2024年の春からとし、現在の1年生には適用されない。
最後の飛ぶバット世代
新基準のバットは、現在のバットより3mm細くなり、打球部の肉厚は現在より1mm厚くなる4mm以上とする。重量は900g以上でこれは現在と同じ。これにより、現在のバットからは平均打球速度が約3.6%減少し、飛距離について高野連関係者は「現在のものは木製バットと比べると20メートルくらい飛ぶ感じだった。新基準は約10メートル、もしくはそれ以下」と話す。
高校生も年々パワーと打撃技術を身につけ、2017年の夏の甲子園で、史上最多となる68本塁打が飛び出し、金属バットの打球の威力によって、特に最も近い場所にいる投手への危険性が指摘されていた。
この基準は2024年春からの適用となり、現在の1年生には適用されない。現1年生では花巻東の佐々木麟太郎選手が既に高校通算50本塁打を放っており、清宮幸太郎選手の111本の記録更新の期待がかかるが、これには影響はなさそうだ。佐々木選手や広陵の真鍋慧選手、九州国際大付の佐倉侠史朗選手などが注目される現在の1年生世代が、飛ぶバット最後の世代となる。
これにより、高校野球のスカウティングはどうなるか。通算本塁打数という数字は、試合相手や球場などの要素もあり、あまり重視されない数字ではあるが、その数字のインパクトもあり大きく報じられる事で選手の評価に繋がっていたところはある。新基準バットではこの数字が、現在の基準よりは下がると思われるが、「新基準でこの通算本塁打」という評価になってくる可能性もある。
また、これにより長打力よりも短打、バント、盗塁という野球に再び戻っていく可能性も無くはない。
そして、投手についても、これまでより失点が少なくなる可能性があり、例えば、完封する試合も多くなるかもしれない。そのため、成績よりも奪三振数などの数字が重視されるかもしれない。
ただし、高校野球に関しては、これらの数字はそれほど重視されない。やはり選手のプレーを見て、そのパワーや球威などを見ることになる。変わるとすれば、「思ったよりも打球が飛ばない」という選手を、今の感覚から少し評価を変えなければいけないかもしれない。それでも全体的には評価が投高打低になっていく可能性もある。


コメント
個人的には高校野球も木製バットになってほしいと思ってる
打低の調整は飛ぶボールの使用で