ダイナミックなフォームから最速159キロを記録する明星大の谷井一郎投手が、公式戦初先発し、初勝利を挙げた。
記念すべき試合
159キロ右腕の谷井一郎投手は、制球の課題もあり、これまでも後ろで短いイニングを投げていたが、この日は公式戦初となる先発のマウンドに登った。
試合前ブルペンで力強いストレートはやや暴れもするが、ストライクゾーンに決まった時の球の威力は十分で、小さく動くカットボールや、カーブの軌道は安定していた。
それでも「全然調子が良くなかったです」と、初回の先頭打者に四球を与えると、3番にも四球を与えて犠牲フライで1点を許す。ノーヒットで失点する所が課題ではあるが、それでも6番打者に投げたストレートは、球場のスピードガン表示はなかったが、ネット裏の複数のスピードガンで154キロを記録した。
右打者が構えているバットにストレートを当てたり、同じく右打者の頭部への四球など、右へ大きく逸れる球があり、その度に谷井投手自身も不安を抱いていたのだろう、マウンドの仕草も不安を感じさせるものだった。自らのエラーや冒頭でも、周りのナインに頭を下げるなど、かなりナーバスになっている感じもした。
しかし、ナインやベンチからは「一郎」と盛んに呼ばれ続け、4回はカーブなどをうまく使う投球を見せるなど、この試合だけでも少し成長したような感じを見せていた。
浦安市運動公園球場と同じ東京湾沿岸の幕張では、佐々木朗希投手が160キロを越す球で快投を見せていた。この日、進路希望について、「育成でもプロに行きたいです」とプロ一本と話す谷井投手は、4回を投げて2安打1奪三振4四死球1失点、それでもこの日の投球は、いずれ活躍した時の記念すべき試合になりそうな予感を感じさせた。

進路希望はプロ一本。「育成でもプロに行きたいです」と真っすぐな目で話した。球威あるスピードボールを武器に、大舞台を目指す。
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