ドラフト前日までに9球団が1位指名を公表した今年のドラフト会議、非公表だった3球団のうち、千葉ロッテと阪神は競合覚悟で指名に臨んだ。
競合覚悟
2022年のドラフト会議は、ドラフト前日までに9球団が1位指名を公表し、いずれも重複のない状態という異例の展開となった。その中で当日まで1位指名を公表しなかった3球団の動向に注目が集まった。
阪神の選択
阪神は浅野翔吾選手を指名すれば巨人と競合することが分かっていたが、岡田監督は「最終的には今日。ほぼ、浅野で行こうというのは前日から持っていた」と、前日から決めていたことを明らかにした。
そしてドラフト指名後のインタビューでは、「いっぱい指名を言うてたから、残る可能性が高かった。思い切っていけたけどな、浅野に。もし外れても、というのがあったからな」と話し、たとえ外したとしても森下翔太選手が残っていると踏み、最も評価する浅野選手の指名に踏み切った。
岡田監督はドラフトの採点に、「何点なんやろ、80点くらいでいいんちゃうかな。そら、最初に浅野を外したけどな。残りクジやからしょうがないわ、どうしようもなかったから。」と点をつけたものの、「どっちが先に使えるかと言うたら、森下かも分からんしな。」と話し、浅野選手と森下選手に大きな差は無いと話した。
千葉ロッテの選択
千葉ロッテはドラフト当日の朝のスポーツ紙の1位指名予想でも、即戦力投手の方向性は合っていたが、指名する選手が割れていた。その中で荘司康誠投手を選択したが、結果としてトーチューとデイリースポーツが予想を当てた。
吉井監督は「プランBでしたけど、満点に近い100点だと思います。私のくじは0点です」と話し、「ちょっと読み間違った。用意する人がどんな気持ちで入れるかなと考えた。当たりは隠して下じゃないかなと思っていたが上だった」と抽選で外したことを反省していたが、多くの右腕投手がいる中で、なぜ荘司投手を選んだかについての取材は無く、こちらも外れ1位で同じ大学生右腕の菊地吏玖投手を指名していることから、抽選で外しても、同じ力を持つ投手が残っていると予想し、その中で最も高く評価した荘司投手の指名をした。
横浜DeNAの選択
3球団の中で単独1位指名となった横浜DeNAは、補強ポイントである捕手として松尾汐恩選手を指名した。ドラフト前日まで1位指名候補を5人とし、当日、控室に入ってから決めると進藤編成部長が話していたが、三浦監督は「一番評価の高い選手を選択した。無事に獲得できて良かった」と話し、最も評価した選手だったことを強調した。
捕手は補強ポイントで、今ドラフトでも1人か2人を指名する可能性を進藤編成部長も話したいたが、益子京右選手、東妻純平選手と高校卒の捕手はこれまでも指名をしており、本当であれば即戦力捕手が欲しかったのかもしれない。しかし、今年のドラフトでは大学生捕手でドラフト候補に名前の挙がっていた野口泰司選手や石伊雄太選手が指名されず、打撃の良い吉田賢吾捕手やリーグ戦にあまり出場をしていない捕手が育成ドラフトで指名される形になり、全体的に大学生・社会人の捕手の評価が高くなかった。
昨年、千葉ロッテがドラフト1位で指名した松川選手が、高校卒ながら1年目の序盤から1軍でマスクをかぶるなど、高校卒でも即戦力として活躍する姿を見て、横浜DeNAも松尾選手に即戦力の期待もかけているのではないかと思われる。
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いずれにしても3球団とも、狙っていたポジションの選手を獲得できた。9球団が1位指名を公表し、非公表だった3球団にとっても非常に読みやすいドラフト会議になったのではないかと思う。










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