横浜DeNAの統括本部長である萩原龍大氏が、サンケイスポーツのインタビューの中で、2軍のあり方も試行錯誤し、3軍制導入についても「可能性はゼロではない」と話した。最新鋭の技術を用いた分析しシステムの導入など、育成改革を進める。
育成システム
横浜DeNAは今年のドラフト会議で、育成ドラフトで5人を指名し、合計16人の育成選手がいる。萩原統括部長は「もっと2軍を1軍のシミュレーションの場として機能させたい。育成は育成の試合、2軍の公式戦は勝ちにこだわる起用をすることで、1軍で活躍する機会が増える形に舵を切り始めた初年度」と話す。
そして、将来的な3軍制導入について「可能性はゼロではない。それが適正なのか、一部分を育成の場とすべきなのか、トライ・アンド・エラーをしながら考えていく」と話した。
これまでファームの役割は、体力的に育成をする場、試合の経験を積む場、そして故障した主力選手の調整の場というように、様々な機能を一つの場所で行っており、そのため良い面もあるが悪い面も見られる。北海道日本ハムが2軍の改革として少人数でプレーの経験を積ませ、早い年数で1軍に上がれる事に挑戦し、その試みが成功して次々と若手選手が出てきた時期があり、また、福岡ソフトバンクは育成選手も大量に指名し、3軍制を導入することで、育成&試合経験の場をそれまでより更に増やすことで、1軍の主力メンバーに育成出身の選手が名を連ねるようになった。
オリックスもそのソフトバンクに近い形でリーグ2連覇を達成している。また、巨人も可能性のある選手を大量に指名し、その中で競争させて育成出身の選手が1軍で活躍する。
横浜DeNAは育成施設としてDOCK OF BAYSTARS YOKOSUKAを充実させ、弾道測定器「トラックマン」、カメラによる弾道解析の「ラプソード」、バットに装着する「ブラストモーション」、毎秒700コマそ連続撮影する「エッジャートロニック」、そしてブルペンで投球動作をCG化する「オプティトラック」を導入した。
それだけでなく、MLBのダイヤモンドバックスと連携し、人材交流や情報・ノウハウの共有、そしてデータを生かしたコーチングのできる人材として、四国学院大で実績を残した元DeNAの投手の小杉陽太氏をコーチに迎え、情報工学の修士号を持つスタッフなども増強している。
残念ながら、現在のDeNAの1軍レギュラーは、大学・社会人出身の選手が目立っており、高校卒では桑原選手、森選手くらいしかいないが、データ、AIを活かす体制づくりでファームの改革をし、ファームからどんどんいい選手が出てきて、ドラフト会議でどんどん指名をしていくような流れを作り上げる。
まだ少し時間はかかるかもしれないが、方針がブレなければ結果は出てくるだろう。じっくりと見守りたい。

IT企業が運営する強みを活かし、「世界一の球団に」 ー サンケイスポーツ紙面
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