横浜DeNAは、ドラフト1位で指名したENEOS・度会隆輝選手が契約金1億円、年俸1600万円で仮契約を交わした。打率4割を目標とした。
2つの打撃スタイルと内外野守れる天才
仮契約を交わした度会隆輝選手は、「史上初の4割打者」を目標と話した。ENEOSにはイチロー氏が年に数度、打撃の指導に訪れており、昨年に4本塁打を放って優勝に貢献した都市対抗後には、「度会君、いいバッティングをしたね。ヒーローインタビューも面白かった」と褒められたという。
度会選手は横浜高校1年時に、代打で6試合に渡り6打数6安打と、出ればヒットを打つような天才的な打撃を見せた。その後、3年間で20本以上のホームランを放つなど長打力を伸ばしていた。ドラフト会議では指名漏れとなったが、1月からENEOSに合流すると、オープン戦で大学生などを相手にヒットを量産し、3月のスポニチ大会には代打で出場をした。
社会人2年目には逆方向にも飛距離が伸びるようになると、3月のスポニチ大会で2本塁打、そして7月の都市対抗本戦では4本のホームランを放ち、決勝の東京ガス戦では0−4の6回に3ランホームランを放ってチームが勢いづくと、その後2本のホームランが飛び出して逆転し優勝するなど、優勝に直結する印象的なホームランを放った。
社会人3年目の今年は、ドラフト前は昨年を上回る活躍はできなかったものの、ドラフト後の日本選手権でホームランを放つなど長打力を見せている。しかし、注目されたのは横浜DeNAがCS前に練習試合として行った試合で、大貫投手、伊勢投手など1軍主力投手から芯で捉えた打球を広角に放った。ヒットにはならなかったものの、この打撃が評価され、DeNAはもちろん、スタンドで視察をしていた立浪監督も高評価し中日、千葉ロッテの3球団が1位指名をした。
今年は長打を狙わずにヒットを打つ打撃の時と、長打を狙って打つ打撃の2つのスタイルが特にはっきりと見られた感じがする。自分の状態は相手投手の状態を見て、または試合の状況によって、打率3割以上の天才バッターのスタイルと、ここぞでホームランで試合を決めるスラッガー的なスタイルを見せる。
この日は、目標を「打率4割」としたが、憧れの選手について聞かれると、「イチローさんもそうですし、柳田選手、山田哲人選手のように安打も本塁打も打てて、大事なところでチームを勝たせる一本を打てる選手になりたい」と話した。これが度会選手の目指す打者のスタイルだろう。
守備でもENEOSでは、高い守備力を持つ内野陣がいた事もあり、外野手として打撃を活かす形にしたが、横浜高校では1年時からセカンドを守り続けており評価されていた。「三塁、二塁、外野も練習している。守れと言われたらそこを一生懸命やるだけなので、結果で恩返ししたい」と話す。打撃・守備で高いユーティリティー性を持つところも魅力の一つといえる。
そして何より、度会選手はチームを盛り上げ、そして優勝させてくれそうな明るさを持つ。プレーで盛り上げ、ヒーローインタビューで盛り上げ、スター性を随所に感じさせる。その性格的な面を高く評価するスカウトも多く、それによって3球団のドラフト1位指名競合となったのだろうと思う。
プロで度会選手は、天才と言われる打率4割打者になるのか、チャンスに強い15本〜20本のホームランを放つスラッガーになるのか、そして外野を守るのかセカンドやサードを守るのか、とにかく目が話せない選手になることは間違いないだろう。
大学生投手が豊富だった今年のドラフト会議で、ドラフト1位指名を受けた多くの投手がいたが、そのドラフト1位選手の中でも度会選手を指名した球団が一番勝ち組になりそうというイメージを持っていた。その度会選手を獲得した横浜DeNAは、2,3年後にはセ・リーグを制覇するのではないかと思う。そのくらいの選手だろう。






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