高校野球連盟は、U18W杯で初の世界一となった侍ジャパンU18代表の総括会議を行い、馬淵監督、そして小倉新監督が出席した。
2年連続で同じ首脳陣でやれたこと
会議ではU18代表についての総括として、馬淵監督は「2年連続で監督、コーチが同じメンバーででき、戦い方を経験していたので、それが非常に大きかった」と話し、首脳陣が野球の方向性で一致しながら続けることができたことが良かったと話した。
また、「小林隼翔主将を中心に規律ある選手がそろい、チーム内の一体感がつくりだされていった」と話し、自信の信念の元にスモールベースボールに適した選手を選び、「大事な場面では送りバント、スクイズを使って得点するという意識付けをチームで徹底。バットを短く持って上からたたく意識を徹底し、実践できた。台湾との決勝では、まさにバントで勝利をたぐり寄せることができた」と話した。
さらに、今年3月のWBCで世界一になった侍ジャパンについても触れ「プロが金メダル取ったから俺たちもということはミーティングの端々で言っていた。俺たちも続けという気持ちは持てていたので、大きかったと思う」と話した。
新監督に就任した小倉監督は日大三を2度の日本一に導くなど、高校野球の名将として評価される。しかし2012年の、第25回18U世界野球選手権では、大谷翔平選手、藤浪晋太郎投手、森友哉選手、北條史也選手、高橋大樹選手などの黄金世代と呼ばれるメンバーを集めたものの、ファーストラウンドの初戦のカナダ戦で敗れると、セカンドラウンドではコロンビア、アメリカに敗れて5位6位決定戦へまわり、決定戦でも韓国に敗れて6位となる屈辱的な大会となった。
その経験も踏まえて、小倉監督は「150キロを超えるボールを打つには上からたたけて、なおかつ、走れてバントができる選手を選んだ方が世界大会ではいいんじゃないか」と話し、これまでのU18代表の方針に近い、守って走る野球を目指す。
小倉監督は日大三で多くの選手を育てた名将だが、緻密な野球というよりは、選手たちが小倉監督に惚れ込み、小倉監督を優勝させたいと思わせる人間力が大きい監督だと思う。代表監督のように短い期間で選手を掌握し、強い信念を持った作戦を用いて、時にはドライな采配をするような事ができるかどうかは、おそらく周りのコーチ陣が役割が大きくなるのではないかと思う。
来年は花咲徳栄高校の石塚裕惺選手や、作新学院の小川哲平投手、神戸国際大付の津嘉山憲志郎投手、八戸学院光星の洗平比呂投手などがおり、再来年には大阪桐蔭の森陽樹投手と中野大虎投手、健大高崎の石垣元気投手や佐藤龍月投手などがいる中で、どのような選手を選び、守備と走りを重視する中でどのように得点を奪っていくのか注目したい。







コメント