愛知大学リーグでは愛知工業大の157キロ右腕・中村優斗投手と、強打の捕手・清水智裕選手が対戦し、清水選手が特大のホームランを放ち、3打数1安打2打点だった。
中村投手が足を痛め
侍ジャパン大学代表候補合宿に参加し、ともに注目された二人が対戦した。
第1打席は中村優斗投手が常時150キロを越すストレートにスライダーを交え、ストレートを意識させての変化球で見逃し三振を奪った。続く第2打席は清水智裕選手が初球のストレートを振り抜き、打球はやや強い当たりのショートゴロだった。「内容は悪くなかった」と清水選手は話した。
第3打席は6回だったが、グラウンド整備後のマウンドで中村投手が先頭の水野塁偉選手にライトへのホームランを浴びる。4番の村木陽亮選手にもライトオーバーの2ベースヒットを浴びると、中村投手が足の不調を訴えて一旦ベンチに下がった。
中村投手はこの日は好調で、155キロを何度も記録しており、5回までに12三振を奪っていた。しかし「調子が良かった分、出力に体がついてこれなかった」と5回くらいから太ももがつりかけていたという。それでも治療を終えてマウンドに戻ると、清水選手との3度目の対決を迎える。
中村投手は清水投手に対して初球にスライダーを選択したが、これがインコース高めに入り、打った瞬間にわかるレフトの防球ネットに突き刺さるホームランを放った。中村投手はここで降板した。
打った清水選手は「得点圏で回ってきたので、最低でも後ろにつなごうという意識だった。自分のホームランでチームが勝ててうれしい」とクールに話した。中村投手は3月に侍ジャパントップチームに招集され、欧州代表との試合でも完全試合リレーの達成に貢献していたが、「数多く対戦してきた投手がテレビに出ていて刺激を受けた。より打ちたい気持ちが強くなってありがたい」と話し、刺激を受けていたという。
清水選手は捕手としてもコントロールが抜群で140キロ中盤の速球を投げる2年の津波英太郎投手などをリードし、3-2で愛工大に先勝した。捕手としてはイニング間のスローイングはゆるいフォームで送球をしており、2.0秒台を記録していたものの、12月の代表候補強化合宿と同様に強いスローイングは見られなかった。
捕手として肩の部分でもアピールできれば、打てる捕手としてかなりの評価になる可能性があるが、個人的にはプロでは打撃を活かす形のポジションになるかもしれないと思った。それでも、スラッガーとしての打撃に関しては今年の大学生の右打者では、青学大の西川史礁選手、大商大の渡部聖弥選手に並ぶくらいの物があると思う。
打たれた中村投手は清水選手について、「清水はいいバッターだと思う。次の対戦があれば絶対に抑えたい」と話し、リベンジを誓った。この対決はこれからずっと続いていくことになりそうだ。


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