広島六大学リーグでは、広島経済大が近大工学部に7-0で勝利して優勝を決めた。寺本聖一選手が今季2号ホームランを放ち、エースで147キロ右腕の安岡拳児投手が1安打完封で5勝目を挙げた。
投打の軸
この日は投打の軸がきっちりと強さを見せた。広島経済大は初回に相手先発投手の乱れで押し出しなど4つの四球と安打で2点を先制すると、5回には4番ライトで出場する寺本聖一選手のホームランで追加点を挙げる。
その後も着実に得点を重ねていくと、この日先発した安岡拳児投手が8回までノーヒットノーランピッチングを見せ、9回先頭打者に2ベースヒットを許して大記録達成とはならなかったものの後続をしっかりと抑えて9回1安打9奪三振で完封した。
寺本選手は広島商出身の外野手で、2020年にはコロナ禍によって高校野球の大会が中止となる中、甲子園で行われた合同練習会で肩、足、打撃でアピールを見せていた。広島経済大では打率は高くないものの、2年秋に28打数5安打の中で3本がホームラン、3年春は2試合に出場にとどまったが3打数2安打でその2安打がホームランだった。
昨秋も24打数7安打のうち3本がホームランと、ホームランの確率が高い選手となっているが、今春は打率.345を記録すると、2本塁打、9打点、13得点、出塁率.558はリーグトップの成績となっている。出場する大学野球選手権では甲子園練習会と同じようにその長打力とともに肩と足でアピールしたい。
また、安岡投手も高知高校で146キロの速球を投げて注目されていた投手で、今季は147キロのストレートを軸に5勝0敗、この日の完封も含めて3完封勝利を挙げ、防御率は0.46となった。「まずは優勝できてうれしいです」と話すエースは、この日、ノーヒットノーランを達成できなかったことについては、「調子は良くなかった。何点入っても0-0のつもりで投げていた。打たれることも想定していたので慌てることはなかったです」と話してしっかりと9回を抑えきった。
「リーグ通じて結果を残せたのは自信になる」と話す安岡選手も大学最後となる選手権出場を勝ち取った。昨年は1回戦の国際武道大戦で1-9とコールド負けをしているが、今年は投打の軸があり、安岡選手は「全国で勝つために練習してきたので、やっとスタートラインに立てた。先を見ずに一戦ずつ必死に戦いたい」と意気込みを見せた。


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