甲子園で優勝を遂げた京都国際、W左腕エースで今大会3勝の中崎琉生投手は「プロで活躍すること」を目標とし、大学に進学することを明らかにした。
エースの系譜
京都国際からは昨年も左腕の杉原望来投手がドラフト会議で指名され(広島育成ドラフト3位)ているが、やはり2022年に横浜DeNAにドラフト4位で指名された森下瑠大投手から、左腕エースの系譜が続いていると感じる。
森下投手は軸の強い独特のフォームから145キロのキレ抜群のストレートを投げ、2021年のセンバツにチームを出場させると、その夏には準決勝まで勝ち進んだ。3年生となった2022年は、投球フォームを乱すなどやや苦しみながらも夏の甲子園に出場をしている。
中崎琉生投手はこの森下投手の投球を見て京都国際に入った。また、2年生の西村一毅投手は特に森下投手に近い投球フォームを持っており、今大会は2試合で完封し、決勝戦でもタイブレークの10回1イニングを投げて1失点に抑え胴上げ投手となった。
この日の決勝は中崎投手の好投が光る。この夏は2枚看板として投げながらも、準決勝では失点して西村投手に頼る場面も見られたが、この日は9回まで無失点に抑え、大黒柱としての十分な投球を見せた。小牧監督も「何でも球は操れる。右も左も関係なく厳しくインコースに投げられる」と全幅の信頼で決勝のマウンドを託した。
西村投手について中崎投手は、「普段は先輩後輩なんですけど、仲良くやってる。2人で日本一をとろうと言い続けた。ライバルじゃないんですけど、一緒に日本一をとれてよかった」と話す。ライバルではなく2枚看板として投げた1年間だった。
京都国際からは毎年ドラフト会議で指名される選手がおり、中崎投手もプロが注目していたが、進路については大学進学を明らかにした。そして、「プロに入ることが目標じゃなくて、プロで活躍することが目標。日本一になって浮かれてる暇はないので4年間しっかり頑張ってプロに進みたい」と話し、4年後のプロ入りを目指す。
そして京都国際の左腕エースの系譜は西村投手に、来年は高校生では打てないと言われるチェンジアップが1年間威力を発揮しそうだ。そして1年生には有望な左腕投手が控えており、しっかりと引き継がれていくのではないかと思う。

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