春季高校野球兵庫大会2回戦、昨夏の兵庫大会準優勝校である明石商業が、神港学園との接戦を制した。この試合で、プロ注目の左腕・石原大暉投手(3年)が、故障からの復活登板を果たし、4回を無失点に抑える力投を見せた。その投球には、NPB8球団のスカウトが熱い視線を送った。
故障からの復活登板!8球団スカウトの前で4回無失点
背番号10を背負い、今春公式戦初登板初先発を果たした石原大暉投手は、毎回走者を背負う苦しい投球ながらも、要所で粘りを見せ、4回を4安打無失点に抑えた。昨秋に左肘を痛め、年明けの1月中旬にようやく投球練習を再開したばかりという状況での登板であった。「内容は全然ダメでしたけど、ゼロに抑えるのは自分の強み。結果としては、まずまずだったかなと思います」と、自身の投球内容には満足していない様子だったが、復活への大きな一歩となった。
最速141キロ左腕、武器は落ちるボールと「伸びしろ」
石原投手の最速は141キロ。この日の試合では130キロ台後半のストレートが中心だったが、シンカー気味に落ちるフォークボールを効果的に使い、相手打者から三振を奪った。
この日は巨人、千葉ロッテなど8球団のスカウトが集結する中、巨人・岸スカウトは「角度のあるストレートとフォークがすごく魅力。身体の力がある、伸びしろ十分」と高く評価。怪我からの回復途上でありながら、プロも認めるポテンシャルの高さを改めて示した。
この日は神港学園にも140キロ右腕速球が注目される岩崎皓斗投手がおり、スカウトが集結したと見られる。
昨夏の甲子園経験と冬の試行錯誤、夏への巻き返し誓う
石原投手は、1年秋からベンチ入りし、2年だった昨夏の兵庫大会準優勝に貢献。甲子園出場は叶わなかったものの、兵庫大会の育英高校との5回戦で先発するなど、貴重な経験を積んだ。昨秋の故障については、「何かしら変化させたかった。フォームをたくさん変えて、その中でのけがだった」と語っており、冬場は投げられない期間が長かった。
しかし、山崎伊織投手(巨人)や中森俊介投手(ロッテ)らを育てた明石商業高校の狭間善徳監督は、「今年復帰したところだけど、元々の能力は高い。夏までに成長してくれれば面白い」と、石原投手のポテンシャルに大きな期待を寄せている。試行錯誤を経て、理想のフォームを見つけつつあるという石原投手。自身の強みである「ゼロに抑える能力」と、スカウトが注目する「伸びしろ」を武器に、高校野球ラストイヤーとなる夏に向けて、更なる成長と巻き返しを誓う。
石原大暉投手 プロフィール
- 氏名: 石原 大暉(いしはら だいき)
- 所属: 明石商業高等学校 3年
- ポジション: 投手
- 出身: 兵庫県加古川市
- 生年月日: 2007年(平成19年)12月30日(17歳)
- 経歴: 加古川ドリームハーツ(小学)- 志方中学校(軟式野球部)- 明石商業高等学校
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 173cm・75kg
- 最速: 141キロ
- 特徴: プロ注目の左腕。最速141キロのストレートと、シンカー気味に落ちるフォークが武器。故障からの復帰を果たし、今後の伸びしろに期待が集まる。




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