ドラフト会議では、現時点ではまだ課題があるものの、将来は大化けししそうな高校生投手が非常に注目される。当サイトではその選手をB-評価の高校生投手としてこれまで第1回から第5回まで合計15投手を紹介し、今回も将来が楽しみな逸材を3名紹介します。
第1回(石山愛輝投手、江藤蓮投手、富田櫂成投手)
第2回(高橋友春投手、吉田大輝投手、川畑秀輔投手)
第3回(中村心大投手、宇佐美球児投手、渡辺颯人投手)
第4回(長崎蓮汰投手、川端勝利投手、小川秋月投手)
第5回(矢吹太寛投手、山田 玲投手、中西浩平投手)
B-評価とは何か?
ドラフト候補選手とみんなの評価では、ドラフト候補選手を独自の基準でランク付けしている。特A、A+、A、A-ランクは、ドラフト上位指名が有力な選手、B+、Bランクは指名の可能性が高い選手とし、B-評価は「ドラフト会議で指名される可能性のある選手」としている。
高校生投手はまだ成長段階で、これからプロ野球や大学野球などで成長していく選手がいる。そして、例えば高校時点で指名をせずに大学に進んでドラフト1位でしか取れない選手になってしまうのなら、高校生の時点で4位、5位あたりで指名し、3年後くらいにプロ野球の1軍で圧倒的な投球をみせるなんてことがあれば、これはスカウトにとっては非常に嬉しいことだろう。現時点ではドラフト上位で指名するのは難しいけれど、将来的にはドラフト上位で指名した大学生や社会人の投手以上になるのでは、というスカウトの思いのこもった指名が、ドラフト4位、5位で指名される高校生投手なのだ。
そして、昨年のドラフト会議で指名された北星学園大付の石田充冴投手(巨人4位)、福井工大福井の篠原響投手(埼玉西武5位)、千葉学芸の菊地ハルン投手(広島5位)、聖カタリナの有馬恵叶投手(中日6位)などがドラフト会議時点でもB-ランクで指名を受けた。そして篠原投手はすでに高校生1年目とは思えない球を見せている。
このように、現時点ではまだ課題もあるが、大化けしそうなB-ランクの高校生投手を紹介します。
楽しみなB-評価の高校生投手(抜粋)
今回も第6弾として3人のB-高校生投手を取り上げる。センバツで活躍した投手も含めて、すでに実戦でも活躍しているが、ともにまだまだ伸びしろを感じさせる投手だ。
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桑山晄太朗(くわやま こうたろう)投手 – 津田学園 この春、驚異的な成長を見せ、一躍注目株に躍り出たのが三重・津田学園の左腕、桑山晄太朗(くわやま こうたろう)投手だ。昨春時点では最速138キロだったというが、今春の三重大会準決勝・菰野戦で148キロを計測。8回を投げ5安打1失点、11個の三振を奪う快投でチームを決勝に導いた。昨年までは二刀流だったが、冬に投手一本で行くことを決意し、走り込みなどで5kg減量して体を絞り込んだ。その成果が春に現れると、現在は最速149キロと高校生トップクラスの球速を持つ投手になった。
そして何より、これだけの球速を出す180cmのサウスポーということが魅力で、左投手の右投手もよりも5キロほど遅くても評価するということが言われており、それで行くと桑山投手は155キロを記録する右投げ投手と同じくらいの評価となる。それは粗すぎる評価だが、それでもそれだけ球速のあるサウスポーは魅力ということになる。ストレートとスライダーが主体で、試合も作れるようになっており、昨年の北海道日本ハムドラフト2位で指名された東海大相模の藤田琉生投手や、2016年に広島カープにドラフト2位で指名された花咲徳栄の高橋昂也投手のように、一気に評価が上がっていくかもしれない。 -
木本 夢翔(きもと ゆめと)投手 – 唐津商業 佐賀・唐津商業の木本夢翔投手は、最速144キロと現段階で派手なスピードはないものの、抜群の制球力とマウンド度胸で強打者を抑え込む完成度の高い実戦派右腕だ。1年生だった2023年秋の九州大会では、世代屈指の左腕と評された興南・田崎颯士投手(現・亜大)に投げ勝ち1-0で完封勝利。春の練習試合では、大阪桐蔭を相手に8回一死まで無安打に抑える快投を見せるなど、9回1安打無失点の快投を見せるなど相手が強いほど力を発揮する。
「力感なく、コントロール良く投げることが大事」と語るように、フォームに力感が無くシンプル、テンポよく次々と投げてくるタイプで、ストレートとスライダーを丁寧に投げる。しかし、打たせて取るだけでなく2桁奪三振も記録するなど球のキレも十分で、177cm72kgの体格が更に大きくなり強くなったらどうなっていくのかが楽しみで、何より堂々と投げる姿に、内なる強さが滲み出ていて将来性を非常に感じさせる。 -
山田 晃太郎(やまだ こうたろう)投手 – 加藤学園 東邦ガス前監督・山田勝司氏を父に持つ、加藤学園の山田晃太郎投手も、この春に大きな成長を遂げている。昨秋は地区予選初戦敗退の悔しさをバネに、冬場のトレーニングで体重を7kg増やし、現在180cm87kgとたくましさが増した。その成果は球威に直結し、春季静岡大会地区予選の飛龍戦では、自己最速を6キロ更新する146キロをマーク。さらに8回を投げ17奪三振無失点と圧巻の投球を披露した。力強いストレートに加え、スライダーやチェンジアップなどの変化球も操る本格派。
課題であった安定感が増し、打たせて抑えてゆき、ピンチの場面でギアをいれるような投球もできるが、上記のような三振を奪う事もできるなど、投球の面も非常に大きく成長している。確かなポテンシャルが開花した右腕が、これからどこまで評価を高めていくか注目が集まるが、その進路も東邦ガスが選択肢に入ってくるのかが注目される。
これからもB-ランクの高校生投手の選手を紹介しますのでお楽しみに。






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