春季北海道高校野球大会旭川地区予選の2回戦で、旭川北高校が強豪の旭川志峯高校を破る金星を挙げた。プロ注目の菊地斗夢投手(3年)が今季初戦のマウンドで自己最速を更新する146キロをマークし、9回を投げ抜いて完投勝利を飾った。
今季初戦で自己最速更新146キロ!強豪相手に9回完投勝利
185cmから144キロの速球を投げ、プロも注目をしていた旭川北高校の右腕・菊地斗夢投手が今季初先発すると、初回は無失点に抑えたものの、右手薬指が切れて出血をしてしまい、2回には押し出し死球で先制点を献上するなど、立ち上がりは制球に苦しんだ。
5回までに112球を費やした。それでもノーヒットピッチングを続けると、7回1アウトまで無安打投球を続けた。7回にセカンド正面のゴロがイレギュラーし、不運な形で2点目を失ったが、自己最速を2キロ更新する146キロをマークするなど、力強いピッチングを披露。結局9回を投げきり、5安打12奪三振2失点で見事な完投勝利を収めた。プロ球団のスカウト6球団が視察する前で、そのポテンシャルの高さを示した。
6回までに10四死球を与え、「打たれていないのに、どうしてこんなに投げているんだろうと思った」と話した菊地投手、それでも味方打線が6回に逆転すると、7回からギアを入れ直した。「自分が降板したら負けと思っているので、意地でも譲らない気持ちでずっと投げますと試合前から監督に伝えていた」といい、この日は9回164球を投げた。
立ち上がりの課題乗り越え無安打投球!冬場の成長と身体能力
菊地斗夢投手は、185cmの長身ながら体重69キロと細身だが、ジュニア五輪で全国17位に入ったクロスカントリースキーやタグラグビーで鍛えられた体幹や下半身があり、50メートル走6秒0、走り高跳び180cmといった高い身体能力を持っている。
高校入学後も野手としてプレーをしており投手としては経験が浅いが、その分成長の余地が大きい投手で、これまではスタミナに課題があったが、昨冬は徹底した体力強化に取り組み、球速の持続力が向上した。この日の試合でも、立ち上がりの課題を乗り越え、尻上がりに調子を上げた投球を見せた。まだ「未完の大器」として伸びしろが期待されている。
21年ぶり甲子園へ!エースとして夏に勝負
旭川北高校は、21年ぶりの夏の甲子園出場を目指している古豪だ。昨秋の地区予選では、終盤に崩れて敗退するという悔しい経験をした。その悔しさをバネに、この春、強豪・旭川志峯高校を破ったことは、夏へ向けた大きな自信となるだろう。
菊地斗夢投手は、エースとしてチームを甲子園に導くことへの強い決意を胸に、夏の大会に臨む。プロへの挑戦についても意識しており、夏の大会での活躍がプロ入りへ直結することは間違いない。21年ぶりの聖地、そしてプロ入りへ向け、エースとして夏に勝負をかける菊地投手の今後の活躍に期待が込められる。
菊地斗夢投手 プロフィール
- 氏名: 菊地 斗夢(きくち とむ)
- 所属: 旭川北高等学校 3年
- 出身: 北海道当麻町
- 生年月日: 2008年(平20年)2月23日(17歳)
- 経歴: 当麻野球少年団(小学1年~)- 当麻中学校(軟式野球部)- 旭川北高等学校(1年春ベンチ入り、1年秋三塁手)
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 185cm・69kg
- 最速: 146キロ(自己最速)
- 50メートル走: 6秒0
- 走り高跳び: 180cm
- 特徴: プロ注目の長身右腕。自己最速146キロ。高い身体能力と伸びしろが魅力。「未完の大器」。旭川地区予選で強豪相手に完投勝利。夏の甲子園出場、プロ入りを目指す。
- 好きなプロ野球選手: 奈良間大己(北海道日本ハム)
最速146キロ旭川北・菊地12K完投 ー スポニチ北海道

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