東都大学野球春季リーグは23日、青山学院大学が国学院大学を6-1で下し、勝ち点5の完全優勝でリーグ5連覇を達成した。リーグ史上4校目の快挙となり、青学大としては17度目のリーグ制覇となった。6勝を挙げたエース・中西聖輝投手は、チームは6月9日開幕の全日本大学野球選手権で史上初の大会3連覇を目指す。
盤石の投手力で掴んだ完全優勝
青学大は今季、5カード中3カードが3戦目までもつれる接戦を演じながらも、粘り強く勝ち点を積み重ねた。10勝中7試合が1点差ゲーム、3試合が終盤の逆転勝利と、勝負強さが際立った。
そのベースとなったのはやはり投手力だった。今秋ドラフト候補に挙がるエース・中西聖輝投手(4年・智弁和歌山)は、今季6勝、防御率1.41、投球回70回1/3で87奪三振と圧巻の成績でチームを牽引し、大黒柱としての役割を全うした。
この日の国学院大戦では、ヴァデルナフェルガス投手(4年・日本航空)が先発し、5回を投げ2安打無失点、8奪三振と好投し試合を作った。6回からは3年生で来年のドラフト1位候補の鈴木泰成投手(東海大菅生)が登板し、国学院大打線を封じ込めた。
そしてこの日は打線が初回に先制すると、3回には4番・渡部海捕手(3年・智弁和歌山)、5番・初谷健心内野手(4年・関東第一)の連続適時打などで4点を追加し、試合の主導権を握った。
チームの投手防御率はリーグ1位の1.20と、昨秋の2.52から大幅に改善。特に四死球は昨秋の58から36へと激減し、投手陣の安定感が優勝の大きな原動力となった。安藤寧則監督は「一枚岩」という言葉でチームを鼓舞し続け、選手たちはその期待に応えた。
「4冠」と「選手権3連覇」へ、青学大の挑戦は続く
中西投手は開幕戦の中大1回戦で黒星スタート、序盤の連勝で首位を走った亜細亜大学との直接対決でも1回戦で齊藤汰直投手と投げ合って黒星を喫し、「他のチームにもすごく良いエースがいたので、苦しい戦いになるのは分かっていた」と話した。それでも2回戦は鈴木投手が2失点完投で3−2で勝利すると、続く3回戦では再び中西投手と齊藤投手の投げ合いとなり、ともに完投して今度は中西投手は2−1で勝利した。この試合が優勝を決めた。「崖っぷち精神で1回戦とは違った力が出せました」と、3回戦目に土壇場での強さを見せつけた。
そして中西投手は「先輩たちが続けてくれた記録を僕たちの代でも続けられたのはうれしい。すでに4冠に向けて始動したので、全国の舞台でしっかり戦いたい」と、史上初となる2年連続の4冠、そして全日本大学選手権での3連覇へ向けて力強く語った。
藤原夏暉主将(4年・大阪桐蔭)も「5連覇のプレッシャーもありましたが勝ててホッとしました。ぼくたちの代はプレッシャーの中でもワクワクできる選手が多い。ピンチでも楽しめていた」と話し、安藤監督も「1球の重みをわかっている選手たち」と選手たちの成長に目を細めた。
青学大は、昨年は大学野球選手権、明治神宮大会を制しており、まずは、全日本大学選手権での史上初となる3連覇を目指す。そして秋、明治神宮大会と王者・青学がひた走っていく。
中西聖輝投手 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし せいき)
- 経歴:智弁和歌山高校 – 青山学院大学(4年)
- 投打:右投右打
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績: 2025年東都大学野球春季リーグ戦で6勝(リーグトップタイ)、防御率1.41(リーグトップ)、70回1/3を投げ87奪三振を記録。 チームの東都大学野球春季リーグ5連覇に大きく貢献。 最速150キロの直球を誇る本格派右腕。 2025年秋ドラフト候補。 「崖っぷち精神」を自認する勝負強い投球が持ち味。 史上初となる2年連続4冠、全日本大学選手権3連覇を目指す。








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