全国高校野球選手権神奈川大会は、今春のセンバツ王者・横浜が相模原城山に9-0で7回コールド勝ちした。この試合で、左太ももの肉離れから復帰したエース左腕・奥村頼人投手(3年)が今夏初登板初先発。4回を1安打無失点、9奪三振と圧巻の投球を披露し、ネット裏に集結した巨人、阪神、東京ヤクルト、広島、横浜DeNAなど9球団のスカウトにその実力を見せた。
6者連続K!圧巻の夏デビューも自己採点は「70点」
頼れるエースが、万全の状態で帰ってきた。春の県大会決勝以来となる公式戦のマウンドとった奥村頼人投手は初回、2死から3回2死まで、圧巻の6者連続奪三振ショーを見せた。最速146キロを計測したストレートには力があり、変化球も冴えわたる。4イニングを投げ、許したヒットはわずか1本、9つの三振を奪う完璧な内容だった。
「投げることができて安心しました」と安堵の表情を見せたが、「自分の思ったボールが投げられた」と手応えを感じつつも、自己採点は「今日は70点。結果より内容。甘い球が多かった。ノーヒットで抑えるくらいじゃないとこれから先、厳しくなると思う」と、エースとしての高い意識をのぞかせた。
打っても4番として初回に先制の中前タイムリーを放つなど2安打1打点と、投打にわたる活躍でチームを5回戦進出へと導いた。
巨人「馬力がある」ヤクルト「クレバー」9球団スカウトが絶賛
センバツ優勝左腕の復活マウンドに、プロのスカウトも熱い視線を送った。この日、ネット裏には9球団のスカウトが集結。各球団がそのポテンシャルを高く評価した。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「ストレートに力がある。バッティングも魅力。野球センスがある。投打で馬力がある。センバツの時よりも球の力がある」
横浜DeNA・八馬アマスカウトグループディレクター:「体もしっかりできていて、チェンジアップ、カーブにストレート。制球良く投げられる。さすがですね。」
東京ヤクルト・余田雄飛スカウト:「彼はクレバーな投手。今日も安心感があって評価は高い」
千葉ロッテ・中川隆治スカウト:「常に一定のマインドでしっかり投げられる」
広島・高山健一スカウト:「打者との駆け引きもうまい、伸びしろを感じるピッチャーの一人」
「高校野球で活躍してから」進路は夏に懸ける
横浜の村田浩明監督は、奥村投手をこの4回戦で登板させると決めていたという。「チームにとって4回戦というのはひとつギアが上がるタイミング。今日はエースがしっかり投げて、バックがしっかり守る、引き締まった試合」と、指揮官の期待に完璧な形で応えた。
注目の進路については、「この先の世界は高校の場で活躍しないとつながらない。まずはしっかり高校野球で活躍してから考えたい」と、まずは目の前の夏に全力を注ぐと話す奥村投手、春夏連覇への挑戦とともに、その進路も非常に注目されそうだ。
奥村頼人投手 プロフィール
- 氏名:奥村 頼人(おくむら らいと)
- 所属:横浜高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:最速146キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の神奈川大会4回戦で復帰登板し、4回1安打9奪三振無失点の快投。巨人、ヤクルト、ロッテ、広島など9球団のスカウトから高い評価を受ける。今春のセンバツでは優勝に貢献。4番も務める。




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