全国高校野球選手権富山大会は準々決勝で、伝統の「両商対決」が行われ、高岡商が富山商に5-2で勝利しベスト4進出を決めた。プロ注目のエース左腕、高岡商の岡田一桜投手(3年)が自己最速を更新する146キロをマークするなど6回1失点の力投を見せたが、走塁中に足をつり負傷退場。富山商の2年生エース・藤岡大翔投手も同じく足をつって降板するという、両エースが姿を消す壮絶な試合となった。
プロ注目左腕・岡田一桜、自己最速146キロも無念の負傷退場
ライバルとの大一番で、岡田一桜投手の左腕が唸りを上げた。初回から全力投球で144キロを記録すると、2回に自己最速となる146キロを記録。プロ3球団のスカウトが視察する中、力強いストレートを軸に6回まで3安打6奪三振1失点と、富山商打線を抑え込んだ。「今日はベストピッチングでした」と吉田真監督が語るほどの快投だった。
しかし、アクシデントが襲ったのは4点を奪い逆転した直後の6回の攻撃中。出塁した岡田投手が三塁を回ったところで足をつって転倒。そのまま負傷退場となった。指揮官は「中1日の登板で疲れもあった。力投派で、こういうプレッシャーのかかる試合なので」とエースの奮闘を思いやった。
富山商2年生エース・藤岡大翔投手も
異変は富山商の2年生エース・藤岡大翔投手にも起きていた。6回途中からリリーフ登板をしたが、マウンド上で足をつり降板。「野手で出場していた時は全然、大丈夫だったが、マウンドに立つと、足がつりそうになってしまった。今まで、こんなことはなかった。つってでも、投げようと思ったのですが」と、試合後は悔し涙を浮かべた。
両エースが退くという異様な雰囲気の中、試合は高岡商業が7回から登板した川口優人投手(3年)が3回1失点と粘りの投球でリードを守り切り、ライバル対決を制した。吉田監督は、準決勝での岡田投手の復帰について「回復させて、ベストな状態で出場させたい」と語った。
今年のプロ注目左腕と、来年の145キロ右腕の対決だったが、藤岡投手は来年のドラフト候補として注目される事になる。来年の夏に再び両商対決となるか。
岡田一桜投手 プロフィール
- 氏名:岡田 一桜(おかだ いお)
- 所属:高岡商業高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:プロ注目の最速146キロ左腕。2025年夏の富山大会準々決勝・富山商業戦で自己最速を更新し、6回1失点と好投するも、走塁中に足をつり負傷退場。プロ3球団が視察。
藤岡大翔投手 プロフィール
- 氏名:藤岡 大翔(ふじおか ひろと)
- 所属:富山商業高校(2年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速145キロを誇る2年生右腕。2025年夏の富山大会準々決勝・高岡商業戦でリリーフ登板するも、足をつり途中降板。


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